てちと付き合ったあの日からニヶ月が経った。

私たちはというと、実は昨日別れてしまった...理由は小さな喧嘩。

付き合ってからの一ヶ月は笑いがたえなくて毎日幸せだった。
だけど一ヶ月を過ぎると突然喧嘩ばかりになってしまったんだ。


なんて考えながら、自分の席に座り頬杖をついていた私にゆいぽんが話しかけてきた。



小:ちょっと佑唯ちゃん!別れたってどういうこと!?

今:声大きいよ...!

そう言うとゆいぽんはキョロキョロとあたりを見回して

小:平手さん居ないから大丈夫、、!

そう言って私の前の席に座った
確かにてちの席に鞄はあるけどてち本人は居なかった。

今:大丈夫って...

そう呟く私の声無視してゆいぽんは質問攻めをしてきた

小:それでどうして別れたの?
嫌いになっちゃった?それとも他に好きな人できちゃったの...?

正直今は何も話す気分では無かったが、ゆいぽんには今まで沢山助けてもらったため理由を話すことにした

今:嫌いになってないし、今もてちが好き...

小:じゃあどうして...?

ゆいぽんは驚いた顔をしているけど目は悲しそうだった

今:けど最近喧嘩ばっかりでつらかったから帰り道、別れようって言ったの...そしたらてち頷いてどっか行っちゃって...

思い出すだけで涙が出てきそうになる、だって本当は別れたくないって言って欲しかったから...

小:佑唯ちゃん泣きそうじゃん...

そう言ってゆいぽんは私の頭を撫でてくれた

今:本当は別れたくなかった...!好きだもん...!

感情が爆発してゆいぽんに泣きながらそう伝えた
そんな私を見て

小:佑唯ちゃん!それさ私に言ったってダメでしょ?

ゆいぽんが呆れた顔でそう言った

今:そうだよね...私探してくる!!

ゆいぽんにまた助けてもらった私は席を立って教室から出た




...
昨日ずーみんに別れを告げられた私は教室に鞄を置いて屋上に来ていた

平:...。

何をするわけでもなくボーッと突っ立ていると後ろから声が聞こえた

?:だっせえな

イラッとした私は勢いよく後ろを振り向いた、まあ誰だかはなんとなく想像ついてたけど
私の想像通り後ろに立っていたのは、もはやお馴染みの志田だ、

志:なんだしそのやっぱりお前か、みたいな顔は!

志田って表情よむのうまいなー、なんて思いながら前を向いた
そんな私の隣に志田が並ぶ

志:お前さーずーみんと別れてたんだって?

平:なんで知ってるの?

志:屋上に来る途中に珍しく小林のでかい声が聞こえた

平:たまに小林でかい声だすもんね

呑気にそんなことを言ったら突然、志田に思いっきり頭を叩かれた

バシッ!

平:!?...イテッ

バッと横にいる志田を見た

志:どうせ別れたこと後悔してるんでしょ?

図星だよ...志田の言った通り私は後悔している

平:うん...

志:まあ、うちは背中押したりしないけどな!そんな暇があったらずーみんにまたアプローチするし!

私はヘラヘラ笑いながらそんなことを言った志田の頭を、仕返しとばかりに思いっきり叩き返した

バシッ!!

志:イタッ...!

平:もう志田に渡すことなんてないし!それに私これからずーみんの所行ってくるから!

志田にそう宣言してから屋上を飛び出した

志:うちのアホー、結局背中押した形になっちゃったし...


...
私は走った。一ヶ月前友香と話し合った後ずーみんの元に向かったように

キーンコーンカーンコーン

このチャイムは一時間目の授業が始まる合図。

もしかしたらずーみんは教室で授業を受けてるのかもしれない...ううんほとんどの確率で多分そうだと思う、、

だけど私は何故か少しだけ、ずーみんも私のことを探してるんじゃないかって思ったんだ...
だから教室には見向きもさずひたすら廊下と中庭を探した

探し回ってから約五分後、中庭でキョロキョロしてるずーみんをみつけた。
私は嬉しかった...探してくれてたんだって
私と同じ気持ちなのかもしれないってそう考えるだけで昨日の帰り道、なぜ頷いたんだろうって後悔した。

ゆっくり私は近づいたが、
キョロキョロしてるのに後ろに居る私に気づかないずーみんが愛おしい。
そして後ろからギュッと抱きつけばずーみんは肩をビクッとさせた。

今:てち...?

ああやっぱり好きなんだって感じた、
だってずーみん声を聞いただけで心臓がドキドキするんだから
私はずーみんにベタ惚れってわけ

平:ごめんね...昨日

そう言うと顔の見えないずーみんからすすり泣くような声が聞こえた

今:うぅ...て、てちぃ...寂しかった、わかれたって、考えるだけで...心がさび...しかった...

そう言って泣くずーみんを抱き締める自分の腕に力を入れて
もう離さないならと伝えるように強く抱き締めた

平:もうあんなこと言わないから...ごめんね...

謝ると私の手を振りほどいてずーみんは私の真正面に立った

今:私もごめんね...じゃあはい!

泣いて目を真っ赤にしたずーみんがそう言って腕を広げた
そんなずーみんにニコッと笑を見せて、思いっきり抱きつくと
勢いをつけすぎてしまったため小さくて細い体のずーみんを持ち上げてしまった。

今:わぁっ!

平:あっ、ごめん!

急いでずーみんを降ろしてから、今度はゆっくりずーみんに抱きついた


やっぱり私にはずーみんしか居ないや、そう思ってから屋上を見てみると、
下からでも分かるくらいニコニコした志田が私たちを見ていた...

まあ今回も志田には感謝したけど、絶対感謝したこと教えない!
そう思ってまたずーみんを強く抱き締めた。



そしてずーみんの耳元でこう呟いた




もう寂しくなんてさせないよ...