おはようございます!
今回はきなこもちさんから頂きました!渡邉理佐と志田愛佳のペアです!

設定は
バレー部エース志田愛佳
愛佳に恋するマネージャーの理佐
となってます!他のと比べるとちょっと長めかもしれませんがぜひ最後まで読んでみてください^^*

…………………………………
 私の名前は渡邉理佐、この高校のバレー部でマネージャをしている。

マネージャーになった理由はこのバレー部でのエース、志田愛佳先輩に恋をしているから...
だけど愛佳先輩は人気だから私なんかが入る場所はない。
今だって部活が終わり体育館を出ると


キャー!


漫画みたいな歓声が広がる


愛佳先輩の顔を見るとニヤニヤと嬉しそうに歩いていた。

この高校のバレー部は全国大会の常連でその中でもエースである愛佳先輩がとても活躍しているからいつの間にかファンがこんなにたくさん出来たみたいだ。
だけど私もファンの一人で、部活動のオリエンテーションでスパイクを打った愛佳先輩に一目惚れしたんだ...

沢山のファンの子の間を通る愛佳先輩を体育館の前に座りながら見ていると突然肩を叩かれた。

トントンッ

上を見上げるとそこにはバレー部のキャプテンをしている守屋先輩がニコニコしながら立っていた。

守:ねえ理佐ちゃん!一緒に帰ろう?

先輩だし断る理由もない、それになんだかニコニコしているから出された守屋先輩の右手を握って立ち上がった

理:帰りましょう...!


そう言って前にいる愛佳先輩と大量のファンの人たちの後ろを守屋先輩と二人、話しながら歩いていた。

守:相変わらず愛佳だけすごい人気だよね!

理:守屋先輩にだってファンいるじゃないですか!

そう指摘すると不満げな表情をして守屋先輩は立ち止まった

理:守屋先輩...?

名前を呼ぶと真剣な眼差しで私の目を見つめてきた

守:ファンなんか要らないよ...

理:えっ?

守:私には理佐ちゃんが居ればいいの...

そう言って段々と守屋先輩の顔が近づいてくる
私は愛佳先輩のことが好きなのに...!
心でそう呟いたって守屋先輩は止まらない、私はついに諦め目をギュッと瞑った。

けれどしばらく経っても何も起きないため、ゆっくり目を開けると
守屋先輩の顔に手が被さっていた。

守:ちょっと!何すんのよ!

そう言って守屋先輩が鋭い視線で睨む先には同じくらい鋭い目をした愛佳先輩が居た。

志:あかねんやめろよ

守:愛佳には関係ないでしょ!それに愛佳にはあんな沢山ファンの子いるじゃん!

守屋先輩は怒りながら愛佳先輩のジャージの襟を掴んだ
けれど愛佳先輩は襟をつかむ守屋先輩の腕を振り払い私と守屋先輩の間に立った。

志:うるせえ!だからって嫌がってる子に無理やりキスしようとすんなよ!

そう言って守屋先輩の胸元を思いっきり押して突き放した

守:イッタ...なんでそんなに愛佳キレてるのよ!

そう言えば私もなんでこんなに怒っているのかが分からない、だけど私には優しさだけが伝わってきた

志:...。

守:理佐ちゃんの事好きでもないんでしょ?私は好きなの!だから邪魔しないでよ!

今度は守屋先輩が愛佳先輩の胸元を強く押していた

志:ッ...

愛佳先輩は何も答えずその場に立ち尽くしていた。そりゃ私の事を好きなんて思ってないし期待もしていなかったけど何も言ってくれないのはちょっと傷ついた...

守:ほら!何も言えないんでしょならどいてよ!

だけど守屋先輩がいくらどいてと言ったって愛佳先輩は私の前からどこうとしなかった。

理:愛佳先輩...?

名前を呼ぶとゆっくり愛佳先輩は振り返った

志:...。

守:理佐ちゃんこっちおいで!

愛佳先輩の後ろには守屋先輩が手を広げている。
さっきから愛佳先輩は何も言わず立っているだけ、悲しみから私は守屋先輩の元に歩こうとした。
だけど愛佳先輩はそんな私の腕を引き、手を私の肩において唇を重ねた。

理:んっ...!

私の視線の先には守屋先輩や愛佳先輩のたくさんのファンの人たちが見えた。
その視線に耐えられなくなって、愛佳先輩を突き放そうとしたけど私を包むその手を緩めてくれなくて離れられなかった。

しばらく経つと手を緩めてくれた

志:理佐ちゃんごめんね...

悲しそうな瞳で、私に愛佳先輩は謝った

守:愛佳どういうこと!?好きじゃないのにキスしたの?それ私よりタチ悪いじゃん!!

守屋先輩の質問に愛佳先輩はまた口を閉ざすと思った。
だけど今度は違くて愛佳先輩は大きな声でこう言ったんだ。

志:理佐ちゃんが好き...!

理:えっ?

愛佳先輩の言葉によってたくさんのファンの人達がザワザワと騒ぎ出した
守屋先輩は口をパカンと開けて呆然としていた

志:理佐ちゃん聞いてる...?

自信なさげな声が胸にギュッとくる、
私が返事をしないのが不安なのかまた愛佳先輩は私の唇へと距離を縮めてくる。
だけど私は愛佳先輩の唇を両手で抑えた

志:そうだよね...うちこそタチ悪いよな...

そう言って愛佳先輩は歩いて行ってしまった。

違う...本当は嫌じゃない...
だけどこんなに沢山ファンがいる愛佳先輩を私が奪っちゃいけないという事が一瞬頭をよぎったんだ。




そして、次の日からの部活は気まづくて愛佳先輩の顔を見れなかった。
すると尾関先輩の声が聞こえた

尾:愛佳今日全然スパイク決まってないじゃん!

志:...

尾:どうしたの?悩み事?

愛佳先輩はそう言われると振り返って私のことを見た、
私も愛佳先輩のことを見ていたから、目がパッと合った、
数秒見つめあってから私は視線を逸らす

しばらく経ってもう一度視線を戻した時には、既に愛佳先輩もこちらを見ていなかった。


顧問:おい渡邉!マネージャーの仕事はどうした?座ってるだけじゃダメだぞ!


俯いている私に向かって顧問の先生が強めに言う

理:すみません...!

私はすぐに立ち上がりマネージャーの仕事を始めたが、あまり気乗りせずいつも通り動けなかったため顧問の先生に何度も怒られた。

自分のせいだけどこんなに怒られて、愛佳先輩ともあんな感じになっちゃって
マネージャーをしている意味が分からなくなった。

部活が終わりほとんどの部員が帰ったあと体育館に残っていた顧問の先生の元に私は駆け寄った

理:あの!

顧問:渡邉か、どうした?

理:その、マネージャー辞めてもいいですか...?

顧問の先生は顔を歪ませ腕を組み悩んでいた

顧問:うちは元々マネージャーが少ないから辞めてもらうと困ってしまう、だから一週間休みをあげるから辞めないでくれないか?

理:...分かりました。

私は渋々了承し体育館を出た

体育館の外は相変わらず、愛佳先輩のたくさんのファンがいた。

私は早歩きでその人たちの横を通り学校を出た。




次の日から約束通りマネージャーを休んだ。
けれどマネージャーを休み始め六日目に、教室で音楽を聴く私の耳に大きな黄色い声が聞こえた。

理:ん?

イヤホンを取り横を向くと、隣には愛佳先輩が立っていて教室の外にはたくさんのファの子がいた。

理:愛佳先

志:なんで来ないの!

私の声を遮り愛佳先輩の大きな声が耳に突き刺さった
だけどすぐに愛佳先輩は申し訳なさそうな表情に変わった。

志:はぁ、大きな声出してごめん...そのマネージャー辞めちゃったの...?それって私のせいだよね?

愛佳先輩はずっと自分を責めていた

志:辞めないでよ...理佐ちゃんが居なきゃやだ

潤んだ瞳で私のことをジッと見つめてくる

理:辞めてませんよ...?お休みもらったんです、、

本当は嘘でも辞めたと言おうとしていた、けれど愛佳先輩の瞳を見て嘘なんて言えなかったんだ。

そして私が辞めてないことを伝えると愛佳先輩の表情がパッと明るくなった。

志:よかった...あのそれとこの前のキスのこと謝りたくて...ごめんねあの時のことは忘れて、

ちょっとだけ視線を逸らしながら愛佳先輩はそう言った。

だけど忘れられるわけない、
ファーストキスだったし、何より好きな人とのキスだもん…

理:嫌です...

志:えっ...?

理:私、愛佳先輩の事好きなんですもん...けど愛佳先輩には沢山のファンの人達がいるから独り占めしたらきっとダメです...

切ない気持ちを伝えると愛佳先輩は私の手を引いて立ち上がらせた

志:ばっかじゃないの!ダメなわけないじゃん...

そう言いながら愛佳先輩の唇が私の唇と重なった。
また沢山のファンの人達がザワザワとしているが愛佳先輩は私とのキスを止めようとはしなかった…

まるでファンの人達に自分の気持ちを示すように。








翌日から私は部活に戻り、前のようにマネージャーとして仕事をこなしていた
そしてコートを見ると丁度愛佳先輩がスパイクを打つ時だったから一度やっている事を中断し視線を愛佳先輩の方にやると

バシンッ...!!!!

力強い音が聞こえ綺麗に愛佳先輩のボールは決まっていた。
そして私は愛佳先輩に向かって

理:愛佳先輩ナイスキー!!

そう叫ぶと愛佳先輩はこちらを向いてピースサインをしながらニコッと笑った