今回は、はんちゃーんさんから頂きました小林由依×上村莉菜のペアです!

リクエストありがとうございました!

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 私の名前は上村莉菜、
そして高校2年生である私には一目惚れした好きな人が居ます。
だけど私の好きな人はみんなが怖がり誰も近づかないような、簡単に言えば『不良』だ。
その人の名前は小林由依。

だけど私は本当の小林由依を知っている。
だって私と由依ちゃんは付き合っているから...

私といる時はきっと誰も見たことないような色々な表情を見してくれる
だけどそれは私の前だけで、学校に来れば笑顔一つ見せずスタスタと廊下を歩く。

由依ちゃんはたくさん喧嘩をするし法律ではやっちゃいけないことも沢山している、
本当はやめて欲しい、だけどそんなことを言ってしまえば嫌われてしまうだろう...

だから言えない。

そして学校の中じゃ私と由依ちゃんは喋らないし目も合わせない、ただの他人となるんだ。
どちらからも話すのはやめようなんて事は言ってない。
自然の流れでこうなったんだ...

本当は学校でもたくさん話したい、だけど由依ちゃんの迷惑になりたくないから我慢してるんだ。


放課後になるといつも学校から少し離れたファミレスで待ち合わせをしている
毎回私の方が先についていてしばらく経つとガランガランと言うドアの音と一緒に由依ちゃんはファミレスに入ってくるんだ。
凛とした表情で入ってきた由依ちゃんは私を見つけると表情が緩み嬉しそうに私の元にやってくる。

由:莉菜ちゃん!

上:由依ちゃん...!あれ、また喧嘩したの...?

由依ちゃんの少し乱れた髪を見てそう言うと
だんだん表情が曇り不機嫌そうに席に座った。

上:由依ちゃん...?

怒らせてしまったのか私と目も合わせずそっぽを向いている
聞いちゃいけないこと聞いちゃったなと反省して俯くと由依ちゃんが話しかけてきた

由:喧嘩してないって言ったら信じてくれる...?

先生と言い合ったり喧嘩する時はもっと力強くて怖い声なのに、今は不安そうな小さな声。
ひょっとしたら由依ちゃんは本当に喧嘩をしてないのかもしれない、それに彼女のことを信じない人なんて居ないよね。
そう思い由依ちゃんに伝える

上:私は由依ちゃんのこと信じるよ?

そう言うとさっきまでの不機嫌そうな顔は消え嬉しそうに笑うものだから、
やっぱり私の彼女はずるい...
ギャップ?というものだろうか由依ちゃんの笑顔には一々ドキドキする

由:莉菜ちゃんだけが私の味方!

そう言って由依ちゃんは私が由依ちゃんのために頼んだブラックコーヒーを飲んだ。

この後しばらく話してファミレスを出る
まだ時刻は17時だ、
学校で話せない分私はもっとたくさん話したかったから由依ちゃんにこう言った

上:由依ちゃんのお家行っていい??

由依ちゃんは何故か返事をしない。
だけど聞かなくなって答えはわかる、だって由依ちゃんは鼻歌を歌っているから

一人暮らしをしている由依ちゃんの家に着くといつものように煙草の臭いが香る
来る度のことだから既に臭いには慣れていた

由依ちゃんの部屋には写真が沢山飾ってそのほとんどが悪そうな人たちとバイクに跨り撮った写真だ。
だけどちょくちょくとある私とのツーショット写真がとても嬉しい。
写真を見て、その時の思い出を振り返ったりするのが好きで写真に夢中になっていると

由:莉菜ちゃん!

上:?

由依ちゃんの声を聞き後ろを振り返るとベットに腰掛けた由依ちゃんが真剣な面持ちで私を見ていた。
首を傾げ立っていると由依ちゃんが手招きをして私を呼んだ

上:どうしたの?

由依ちゃんの前に立つと突然腕を引かれ私の体は由依ちゃんの元に行く
膝の上に座らせられ由依ちゃんは私を後ろから抱きしめ、肩に顔をうずめながら小さな声で話し出す。

由:莉菜ちゃんは私が喧嘩したり法律でしちゃいけない事するの嫌?

私は言葉に詰まる
嫌だけど嫌なんて言えないから

すると由依ちゃんはそんな私に気づいたのか優しい口調でもう一度聞いてきた

由:本当の事言って...?大丈夫だから。

その声を聞き安心して私は素直に気持ちを伝えた。

上:本当は喧嘩も、法律でダメなこともして欲しくない...
けどそれでも由依ちゃんが私の好きな人ってことは変わらいよ...

そう伝えると私を包む手が少し強くなった、きっとこれが由依ちゃんの返事。

上:今度私の事もバイクに乗せてね?

そう言うと由依ちゃんは突然腕を緩め私を膝からおろし肩を掴み嬉しいような驚いたような表情をした

上:由依ちゃん...?

由:私の後ろに乗ってくれるの...?

上:えっ?うん!

由:嬉しい!

そう言って私を引き寄せる。

上:由依ちゃん好きだよ!

小:うん...!



それからしばらくして由依ちゃんの家を出た

由:もう暗いから送ってく

上:うん!

そう言って道を歩いていると前に重そうな荷物を持ったお婆さんが歩いていた

上:由依ちゃん手伝いに行こ?

そう言って隣を見ると由依ちゃんの姿はなく、もう一度前を向くと既に由依ちゃんはお婆さんの元にいた。


由:荷物持ちますよ?

お婆さん:ありがとうね...

由:当たり前ですよ...

由依ちゃんはお婆さんの荷物を全部持った

由:莉菜ちゃんごめん!一人で大丈夫?

申し訳なさそうに由依ちゃんはそう言った

上:もちろん!由依ちゃん気をつけてね!

由依ちゃんに手を振ってそこで別れた


由依ちゃんは本当に悪い人なんだろうか?

ううん。それは違う、


由依ちゃんは皆が怖がるような悪い人じゃない...



だけどきっと、その事に気づいているのは私だけだろう。