ガチャ

ドアを開け中を確認すると先生はおらんくて、志田さんの姿もなかった


美:志田さんどこ行ったん...?

ソファに座ると私は腕を見てあの時のことを思い出した

それは昨日志田さんに巻いてもらった包帯。
とったら自分で巻けなくなるのを知っとるから取らないでおいたんだ

腕の包帯を見て志田さんの優しさが胸に染みた

いつの間にかうちは志田さんの事が大好きになってたんや...

このままここにいる訳にも行かないから、うちは保健室を出ようと立ち上がった

立ち上がりふと後ろを見ると一つのベットのカーテンが閉められているのに気づいた

美:もしかして...

私はゆっくりベットに近づきカーテンを開けた

シャー

覗いてみるとベットには志田さんの姿があった

美:おった...

志:スゥ...

志田さんはぐっすり寝ていて寝息だけが聞こえた

美:勝手に逃げて志田さんのバカ...

そう呟いて顔を見ると、頬に涙の跡があった
志田さんは泣いていたんやろうか?

これはうちのせいなんかな...

美:ごめん...

そう呟いて志田さんの手を握った

それからうちは志田さんの寝息につられて寝てしまったみたいや...

目を覚ますと志田さんが微笑みながらうちのことを見とった

美:えっ...志田さん!?

うちは一瞬なんでこの状況なのか忘れていて大きな声が出た

志:うちだって分からないよ...それに何かうち死ぬ人みたいじゃん

そう言ってうちが握っとる手を見た

美:あっ、ごめん...

志:ううん...


謝って握っていた手を離すと志田さんは何故か悲しそうな顔をした。

志田さんは理佐の気持ちしってたんかな...?

美:志田さん...?

志:ん?

美:うち、理佐に告白された...

志:うん...

うちから目をそらし斜め下あたりを志田さんは見た

美:だけど断ったん...

志:えっ!?

志田さんがいきなり大きな声を出してこっちを見るもんやからびっくりして口がぽかんと開いた

志:あっ、ごめん...

そう言ってまた斜め下を向いた志田さんの口角がうちは、少し上がったような気がした

美:志田さんニヤついてない??

そうつっこむと焦った顔をした志田さんが面白くて自然と笑がこぼれた

志:小池さんはツッコミが上手くてやっぱり関西人だね、、

美:だいぶ東京に染まったかもやけどね?

志:そ、その...

美:ん?

志:うちの事嫌い...?

うちの目を見て志田さんはそう言った
だからうちは正直に答えることにした

美:嫌い...

志:えっ...

美:嫌いやったはず...嫌いやったはずなのに今は嫌いやない...

志:じゃあ好き...?

不安な声表情でそう聞く志田さんにうちは気持ちを伝えた

美:志田さんは意地悪やな...好きだよ大好き...!

志:...うちも、、、

美:今なんて...?

志田への仕返しで聞き返すと志田さんは私の肩を手で引き寄せて

志:小池さんも意地悪じゃん...けどそれでも好きです...

私の事を包む手がギュッと強くなり志田さんはそう言った

美:うん...ありがとう...!それにしても志田さんの変な性格が移って意地悪になったんかな?

そう言ってニコッと笑うと

志:うっせー!

そう言っていつもならムスッとした顔をするくせに今日はニコッと笑ってもう一度私の事を抱きしめた