今日は渡邉さんの家に行く日当日だ...
家に遊びに行くだけなのにめちゃくちゃ緊張する。
だけど、何よりも渡邉さんと会えることがとても嬉しかった。

欅坂〜欅坂〜

プシュー


欅坂駅に着いてホームへと向かう
時刻は約束の時間の10分前である11時50分

志:今日は寝坊してないよね?

なんて思ってホームに着くと、既に渡邉さんは居た

志:あっ!渡邉さん!!

笑顔で手を振ると渡邉さんは真顔でこっちを見るだけ

相変わらずだなーなんて思って話しかける

志:今日は早いねー!

理:まあ、この前遅れちゃったし...

志:そっか!

渡邉さんはこの前のこと気にしてくれてたんだ...

理:それじゃあ行こっか

志:うん!

私達は電車に乗った

30分後渡邉さんの家の最寄り駅である駅に着いた

プシュー

駅から出て道を歩く

今日は渡邉さんの家に行くから渡邉さんが私の前を歩く
だけど私は隣で歩きたいから渡邉さんの隣に並んだ

志:...。

理:...。

会話は特にないけど、隣に並んで歩けてるだけで私は嬉しかった

しばらく経つと渡邉さんの家に着いたみたい

理:ついたよー

志:おじゃましまーす!

渡邉さんの家はとてもキレイだった

部屋は2階みたいだから階段を上っていると、リビングらしき部屋から一人の女の子がこっちを見ていた

志:妹の葵ちゃんかな?

少し見つめていたら葵ちゃんらしき子はリビングの奥へ行ってしまった

すると渡邉さんが低いトーンで

理:来ないの?

と言った

志:あっ!今行く!

私は階段を上って渡邉さんの部屋に入った
渡邉さんの部屋はシンプルでとてもキレイだった

理:ジュース持ってくるから待ってて

志:うん!

渡邉さんはそう言って部屋を出ていった
私は何をするわけでもなく座って渡邉さんのことを待っていた

少し経つとドアがゆっくり開いた

志:渡邉さん?

ゆっくりと開いたドアから入ってきたのは渡邉さんではなく妹の葵ちゃんだった

志:葵ちゃん?

そう聞くと葵ちゃんはゆっくりと頷いた
そして葵ちゃんは私にいくつか質問をしてきた

葵:貴女はお姉ちゃんの友達...?貴女はお姉ちゃんを傷つけたりしない...?

志:えっ?傷つける?渡邉さんとは友達だよ!それと傷つけたりはしないよ?だけど何で?

私は葵ちゃんに質問した

葵:だって...

葵ちゃんはそう言って机の上にある写真立てを指さした

志:ん?

私は立ち上がって写真を見てみると
渡邉さんが一人の女の子と笑顔で抱き合ってる写真だった

志:なんでこれを?

葵:だってその子は...

理:葵!

葵:ビクッ

葵ちゃんが何かを言おうとした時、渡邉さんの大きな声が聞こえた

理:余計な事言わなくていいよ

葵:ごめんなさい...

葵ちゃんは目に涙を浮かべて部屋を出ていった

理:ごめんね葵が、

志:ううん。それよりこの写真の子って?

理:...。

写真に渡邉さんと写ってる女の子のことを聞くと渡邉さんは静かに座った

志:もしかして、この子って渡邉さんの親友?

理:...。

そう聞くと渡邉さんは頷いた
こんなに楽しそうに笑ってるのに前に言ってた上辺だけってどういうことなの...?
それに、葵ちゃんの言ってた『貴女はお姉ちゃんを傷つけたりしない?』って

志:渡邉さん教えて...!

私は渡邉さんの目を見てそう言った

理:ふぅ。わかった...

渡邉さんは深呼吸をして返事をした


だけど私がこれから聞く話はとてもとても悲しい出来事だった。