私の名前は小林由依。
ある雨の日、道の端に捨てられていた猫に出会った

ニャー ニャー

小:今にも消えそうな声、お前も一人なのかー?

ニャー ニャー

小:雨降ってるしうち来るかー?

猫に話しかける私、通り過ぎる人たちには冷たい目で見られた

だけどそんなのどうでもいい

もう慣れたんだ。

私はその猫を抱いて家に帰った。

小:ただいまー

暗くて静かな部屋にそう言っても何も返ってこないのは当たり前。

私はこんなふうに生きてきた

簡単に言えば一人ぼっちってこと。

高校には通ってるけどそこでも一人ぼっち。

私はずっと一人ぼっちでこのまま死んでいくんだろうか。

こんな悲しいことを毎日考える。



そんな私に今日出会ったこの猫が素敵な出会いをくれるとは思ってもいなかった。




〜次の日〜


いつものように学校へと向かい授業を受けた

いつものように何も無い1日だった。

帰り道、猫のご飯だったりを買おうと思い、近くのペットショップ屋に寄った。

いらっしゃいませー

小:どれがいいかなー

結果オススメのキャットフードを買う事にした

レジに行く途中、せっかくペットショップに来たし猫を見ることにした

小:やっぱ可愛いなー

なんて呟いていると

?:あれ?小林さんだよね?

小:ん?

横から声をかけられ横を見るとそこにはクラスで中心にいる志田さんが居た

志:小林さんも猫好きなの!?てかキャットフード持ってるってことは猫飼ってるの!?

志田さんが高いテンションで私にたくさん質問する

小:昨日猫拾って...飼うことにしたんです。

そう言うと志田さんは

志:えっ!見に行ってもいい??

食い気味に志田さんにそう言われ断れなかった私は結局志田さんを家に呼ぶことにした

小:汚いですけどどうぞ...

志:おじゃましまーす!!

ニャー ニャー

志:うわぁ!可愛い!やっぱり猫はいい!

そう言って猫をたくさん撫でる志田さん

志:ねえねえこの子の名前なんて言うの??

志田さんにそう聞かれたけどそういえばまだ名前を決めていなかった

小:まだ決めてないです...

志:えー!それじゃあ可哀想じゃん!名前付けよーよ!

志田さんはずっとテンションが高いしずっと笑顔だ。

小:志田さん付けていいですよ?

志:ほんと!?やったあ!!

志田さんは無邪気な笑顔で喜んでいた
だけど

志:やっぱり二人で決めよう!!

小:はい...

そう言われて二人で決めることにした

結局決まった名前は

『シロコ』

二人で決めたくせして結局白い猫でメスだからシロコ。

小:まあシンプルでいいですよね...

志:うん!おーいシロコー??

ニャー

志:わぁ可愛いー!
てかやば!もうこんな時間!もう帰らなきゃ!小林さん今日はありがとね?

小:はい...!

そう言って志田さんは部屋を出ていった

志田さんが居なくなった部屋はとても静かになり、慣れたはずだったのにとても寂しくなった。



〜次の日〜

いつものように学校に向かい授業を受け、終わるとすぐに帰る準備をした。

だけどここからはいつもと違った。

志:小林さーん!!

小:?

話しかけてきたのは志田さんだった

志:あのさ!今日も良かったら家行っていい?

小:はい...!



それからというもの志田さんは毎日のように私の家に来てシロコと遊んだり私と話したりしていた。


今日も志田さんが遊びに来ていた

志:ねえねえ小林さんじゃなくて由依って呼んでいい?

小:あっ、はい...。

志:ねえねえ今度はどこか遊びに行かない?

小:あっ、はい...。

志:ねえねえ!


こんなふうに志田さんは私に沢山話しかけてくる
志田さんはきっとシロコにあいにきてるだけなのに、私の心はどこか期待していた。
そして今が、ずっと続けばいいって思った。
だって、いつも真っ暗で静かなこの部屋が明るくて騒がしくて寂しくないから...

そんなことを考えていると志田さんが話しかけてきた

志:ねえねえ由依? 

小:?

志:うちがなんで毎日家来るかわかる?

小:それはシロコに会いに来てるからですよね?

志田さんにそう聞くと

志:それもそうなんだけど、うち由依に会いに来てるんだよ...

そう言って志田さんが私に突然抱きついてきた

小:志田さん...?

志:うち、由依のこと好きになった...

志田さんは小さな声でそう言った

小:えっ?

志:それと、これからも家に来ていいですか...?

何故か敬語になった志田さんに私はこう答えた

小:もちろんです、、、





シロコと出会えたから志田さんとも出会えたんだ、一人ぼっちだった私には志田さんという存在ができた...
全部シロコのおかげ。

シロコ?ありがとう!

そう言うとシロコは

ニャー!

いつもより、大きな鳴き声で鳴いた