チャイムが鳴って先生が入ってきた

先生:よし、これから部活動のオリエンテーションだ!廊下に並んで体育館行くぞー!

クラスのみんなは廊下に並んで体育館に向かった。

だけどゆいぽんは戻ってきてへんし

志田さんは廊下に並ぶふりをしてどこかに行ってしまった

美:志田さんどこ行くんやろ?まっ気にすることないか

少し志田さんが気になったけどうちは気にせんで体育館に向かった


体育館についてオリエンテーションが始まって少し経つとゆいぽんが戻ってきた

美:ゆいぽんどこ行ってたん?

ゆいぽんそう聞いた時目を見たんやけど少し目が赤かった気がした

小:屋上で風に当たってたら時間忘れてた!

美:なんやー!ゆいぽん天然やな!


なんて言ったけど
ゆいぽんは泣いたんかな?ってずっと気になっとった
すると今度は志田さんが戻ってきた
ほぼ同じタイミングって言ってもいいほどのタイミングや...

2人は屋上で話してたんかな?

美:(あーこんな志田さんこと気になってて自分おかしいやん...)

なんて考えてたからほとんど部活動のオリエンテーションの
内容は入ってきてへんかった。

…………………………
志田たちが何をしてたかと言うと




先生が廊下に並んでと言っていたから私は廊下に並ぶふりをして屋上に向かった

入学式の時遅刻したのは学校を一通り回って好きな場所を見つけるためだったんだ。

それで結局見つけたのがこの屋上。

やっぱり屋上が一番落ち着く

屋上のドアを開けて一息つく

志:んー疲れたー。あれ?

屋上には私とは別にもう1人女の子がいた

しかもその子は風に当たりながら涙を流していた

志:えっ?てかあの子って...

その女の子は同じクラスで後ろの席の小林さん?だっけな?
名前はうろ覚えだけど多分あってると思う

彼女はまだ私に気づいてないみたいで泣き続けていた

私は泣いている子が苦手だ。

だって泣いてる子に対してどんな対応をしたら良いのか分からないから...

いつもはトンガっている私だけど意外と小心者だ...

どうしたらいいのか分からなくてその場に立ち尽くしていたら小林さんが帰ろうとしたのか振り返ったので私に気づいた

小:あれ...志田さん?あっ私...ごめんなさい!

小林は何故か私に謝り屋上を出ていこうとして、私とすれ違った

だけどその瞬間。

志:まって!

そう言って小林さんの腕を掴んだ

小:えっ?

小林さんはビックリして赤くなった目をまんまるにしていた

志:あっ、ごめん。

そう言って腕を離した

どうしたら良いのか分からないくせに小林さんを引き止めてしまった

小:ううん。泣いてるところ見られちゃったね...

小林さんはそう言って笑っていた
さっきまでは泣いていたのに...

志:何かあったの?

そう聞くと小林さんは

小:ううん!別になんにもないよ?

そう言って明らかな作り笑いをしていた

志:そっか

喋るの初めてだしそれ以上何も言えなかった
そんな私に

小:志田さんはもっと悪い人だと思ってたけど意外といい人なんだね?

小林さんはそう言って笑った、今度の笑顔は作り笑いではなかった

志:別に悪い人ではないと思うよ。まあ嫌われ者だけど

なんて苦笑いで言った

小:ネガティブだね...!そんなんじゃ友達できないよ?

小林さんにそう言われたけど
私は友達なんかいらないんだ

志:うちは友達なんていらないよ
めんどくさいだけじゃん

小:ふーん。そっか!じゃあ私はそろそろ行くね!

そう言って小林さんは屋上を出ていったけど、私の心は虚しかった。

きっとそんなことない!とか私が友達になるよ?とか漫画やドラマであるセリフを期待してたのかもしれない。
そんな事を思ってた自分が恥ずかしくなって耳まで真っ赤になった。

志:うちも、戻るか

そう思って体育館へ向かった。