渡邉さんと先生を追った私は下駄箱に来た

そしてそこには腕を組んでため息をつく先生がいた
すると先生は私に気づき話しかけてきた

先生:はぁ...。ん?長濱か。それにしてもどうして長濱がここに?

長:あっ、いや...

言葉が詰まった私に先生が質問してくる

先生:まさか渡邉を追うつもりじゃないだろうな?これからまだ授業もあるし成績が落ちたら困るだろ?それにさっき縁を切れと言ったはずだ。親御さんにも心配されるぞ?私はお前のことを心配して言っているんだ。


先生の言ってる事は正しいのかもしれない。だけど先生に縁を切れとか言われたくはない、だってそれは先生が決めることじゃないから...


そして私は...


長:先生に何でもきめられたくないです!自分の事は自分で決めます!!それに渡邉さんの事を悪く言わないでください!!

先生:ちょっとおい!長濱!!!

そう言って学校を出た。
先生に名前を呼ばれたけどそんなの気にせず渡邉さんの家に向かった


そしてあれが私の初めての先生への反抗だった...


やばいなという気持ちの反面、自分よく言った!とも思った。


ピンポーン

渡邉さんの家に着いた私はインターホンを鳴らした

すると...

ガチャ

渡邉さんはすぐに出てきた

そしてとても驚いた顔をしてこう言った

理:えっ?ねる!?学校はいいの...!?

この言葉、朝も言ってたな...
なんで自分は行かないくせに私のことは心配するの...
なんて思って渡邉さんの声を無視して中に入った

長:おじゃましまーす!

理:ねる...

長:渡邉さんのせいで先生に初めて反抗しちゃたなー!

意地悪で渡邉さんにそう言うと
渡邉さんは申し訳なさそうに謝った

理:ごめん...

長:謝らないでくださいよ!冗談です...!

理:廊下で私と先生の間に入ってくれた時、嬉しかった...。まあ私のせいでねるに嫌な思いさせちゃったね...ごめん。

渡邉さんはまた申し訳なさそうに謝った

長:いいんです、それに結果助けられなかったですし...ごめんなさい。

そう言って謝ると

理:ねるが謝ることじゃないよ...あの状況で入ってきてくれただけで嬉しかったし...

渡邉さんが下を向いてそう言った

長:渡邉さんって意外と人の事考えてくれてるんですねー!

笑ってそう言うと渡邉さんも笑って

理:私の事どんなイメージだったんだよー!

なんて明るく言った
だから私は

長:うーん。暴力ふるって口悪くて先生に反抗して一言で言うと不良ですかね?

なんて真顔で言った

理:正直だなー!

渡邉さんは笑ってそう言った

長:イメージと言うか事実ですけどねー!

理:確かにね...!

そう言って二人で笑いあった
その時の雰囲気はとても良くてとても楽しかった。
だから、私は渡邉さんに気になっていたことを聞いた

長:喧嘩するのって理由があるんですか...?

そう聞くと今までの雰囲気は壊れ険悪な雰囲気へと変わった
少しビビった私は小さな声でこう聞いた

長:教えたくないことですか...?

すると渡邉さんは

理:教えたくないわけじゃないけど、恥ずかしい理由だよ...?だけどねるだから言うよ。

そう言って喧嘩する理由を話し出した。


理:よくさー漫画とかで、大切な人を守りたいからとかもうだれも失いたくないからとかあるじゃん?だけど私が喧嘩をする理由はそんなカッコイイ理由じゃなくて...。他人に認めてもらったり自分を認められるのが喧嘩で勝つことそれだけで、、、喧嘩がなきゃ自分は自分じゃないから...喧嘩だけが...

渡邉さんは理由を話しながら涙を流していた

そんな渡邉さんの背中をさすって私はこう言った

長:ダメですよ、そんな考え...
喧嘩は相手を傷つけるだけじゃなくて自分も傷つけるんですから...
今の渡邉さんみたいに自分の中に普通とは違うプライドや価値を生んでしまうんです...
だけど人は変われるんですよ?
それに渡邉さんには素敵な友達がいるじゃないですか!志田さんだって渡邉さんが喧嘩をする度に傷ついてるんじゃないんですか?毎回心配してるはずですよ...
一気に変わらなくたっていいんですよ?少しずつでもいいんですから...

私は自分の気持ちを精一杯渡邉さんに伝えた
渡邉さんはそんな私の言葉を聞いてずっと子供みたいに泣いていた...
きっと私には想像出来ないほど苦しんでたんだ...

そう思った私は渡邉さんに抱きついていた

長:渡邉さんには優しい心がありますからきっと大丈夫です!

そう言って渡邉さんの顔を見るとなにか吹っ切れたように渡邉さんは笑顔になっていた。


理:ねるありがとう...私ねるに出会えてよかったなー

照れながらそう言う渡邉さんに心臓がギュッとなる

長:私も良かったです...。それにもっと渡邉さんのこと知りたいです...

そう言うと渡邉さんは少し驚いた顔をしていたけどその後笑顔になって

理:過去のこと話すと長くなるぞー?

なんて言っていろんなことを話してくれた

長:えっ!?煙草すってないんですか?!それに悪い友達って言われてるのって志田さんですか!?


理:煙草なんて吸うわけないじゃん!匂い無理だもん!それに愛佳はああ見えて意外と真面目なんだよ!格好だったりはちょっと悪く見えるけど!


話を聞けば聞くほど口が悪いのと喧嘩するのと先生への反抗以外は全然普通だった。

やっぱり噂だったりは信じちゃダメなんだなって思い、噂を信じた自分が恥ずかしくなった

そして一通り話が終わると

理:あーやっぱり話、長くなっちゃったね?

長:あーほんとですね!

時刻を見るともう15時を回っていた

理:だけど今度はねるの番だから!

そう言って今度は私の話をした

結局夜の19時ぐらいまで話していた。

理:やば!そろそろ帰らないと親心配するでしょ!危ないし送ってく!

そう言って家の近くまで送ってくれた

長:じゃあまた明日...!

理:うん!

返事をして渡邉さんは帰っていった

結果、学校はサボっちゃったし親に連絡もしないで帰ったのが20時近かったからお母さんにはすごく怒られたけど、渡邉さんのことを沢山知れたし後悔はなかった。




それに少し渡邉さんへの見方が変わった気がする...




いろんな意味でね...。