長:貴方は...?

そう聞くと彼女は慌てて渡邉さんと私の元に駆けてきた

?:自己紹介は後で!とりあえず理佐を家まで届けるけど一緒にくる?

長:はい...!

彼女はそう言って理佐さんの体をヒョイと持ち上げ歩き出した

私は彼女のあとを追いかけた。

少し経つと渡邉さんの家に着いたみたい

?:着いたよ、理佐は一人暮らしだから入っても大丈夫だよ

彼女はそう言ってアパートの階段を登り部屋へと入っていった
私もドアノブを回し部屋へと入った。

長:おじゃまします...

彼女は渡邉さんをベットに寝させソファーに座った

長:あの...傷の手当はしないんですか?

そう聞くと彼女は当たり前というような表情でこう言った

?:だって出来ないもん!

このままだと菌が入ると思った私はコンビニに行くことにした

長:私ちょっと買ってきます

?:あっうん。

私はそう言ってアパートを出て近くのコンビニに入った
そこで絆創膏や消毒液などを購入してアパートに戻った

ガチャ

長:戻りました...!

?:あーおかえり!

私はコンビニで買ってきた物を使って渡邉さんの傷を消毒したりなど手当した

長:終わった!

?:ありがとね!あっ、遅くなったけど私の名前は志田愛佳!理佐とは幼なじみだよ!学校は違うけどね!

長:私は長濱ねるです...!

志:ねるか!よろしくね!

長:はい...

志田さんとしばらく話して居たら渡邉さんが目を覚ました

理:んーイテテテテ、あれ?なんで愛佳とねる?

目を覚まし私たちの方を見てビックリしていた
すると志田さんが

志:たくっバカ理佐!ねるが手当してくれたんだから感謝しろよ!

そう言って理佐さんの傷を指で押していた

理:イテテテテ!おい愛佳!

志:こわいこわい...!じゃあ私はこれでー!

そう言って逃げるように志田さんは出ていってしまった

渡邉さんの家で2人きり、妙に緊張してしまう
気まづい雰囲気が流れ始めた時渡邉さんが口を開いた

理:手当ありがとね?

長:はい...
と言うか幼馴染居たんですね?

理:うん...

長:それにしても喧嘩楽しいんですか?

理:楽しいよ?

不敵な笑みでそう言う渡邉さんを少し怖く感じた

長:じゃあ、もう学校行かないとなんで‥‥

理:あっ、うん...

私は逃げるようにドアを開け部屋を出た
ドアが閉まる瞬間に見えた渡邉さんの表情が少し悲しそうに見えた。

学校について渡邉さんのことを考えた

なんで喧嘩なんかするんだろう
あんな傷だらけになって、倒れてしまうまで喧嘩をする意味はないのに
なにか特別な意味はあるのだろうか...

考え事をして居ると廊下から叫び声がした

うるせーな

長:?!

この声は渡邉さんだ

いつの間にか学校に来てたみたい

慌てて廊下に出てみると先生と渡邉さんがまた言い合いをしていた

理:なんなんだよ

先生:いい加減その態度はやめたらどうだ、だいたい喧嘩ばかりしてまた停学になるぞ

理:停学なんてどうだっていいんだよ!とっととそこどけ!

このままじゃまた渡邉さんが停学になってしまう、ううん。もしかしたら退学だって...
そう考えているうちに私はいつの間にか渡邉さんと先生の間に立っていた

理:ねる!?

先生:長濱どうした?まさかこんな奴と仲良くしてるわけじゃないだろうな?こんな奴と仲良くしててもいいことなんか何も無いぞ?とっとと縁を切れ!

長:...。

私は何も言えなかった。
なにか言おうとしたけど真面目な私にはやっぱり出来ない...

すると

理:ねる、ありがとね?

渡邉さんは私の肩に手を置いてそう言い、廊下を歩いていってしまった

先生:ちょっと待て!

先生は渡邉さんを追いかけにいった

私は廊下で一人になった。

渡邉さんの力になれなかった

あの場で何も言えなかった自分が悔しかった...


そして私は渡邉さんと先生のあとを追った