ねるにしっかり気持ちを伝えた日、
私は友香の病室に行くことにした。
教室を出て廊下を歩いていると
前からねるが歩いてくるのがわかった。
気持ちを伝えた時ねるはそのまま教室を出て戻ってくることはなかったから帰ったのかと思っていたけど、帰ってなかったみたいだ。
だから何だか気まずくてすれ違う時、下を向いて早歩きで通り過ぎた。
何だかホッとして早歩きをやめると突然
トントンッ
長:ねえ理佐?
理:ビクッ
後ろから肩を叩かれねるの声がした
少しビクッとして後ろを振り向いた瞬間。
チュッ
理:!?
ねるにキスをされた
理:ちょっと!ねるやめてよ!
ねるの腕を掴んで強引に引き離すとねるは目に涙をためて必死に話し出した
長:なんで私じゃダメなの‥‥?
ねえ理佐なんでなの...?
菅井さんには守屋さんが居るじゃん...!
けど、私には誰もいないの‥‥
話しかけてくれた時嬉しかった。
長崎でいじめられていた私に話しかけてくれた理佐の優しい所に惹かれたの‥‥
なのに理佐には菅井さんという存在がいた、だけどそれでも私には理佐が必要なの!
ねえ理佐...私を一人にしないでよ
もう1人はやだよ...
理:ねる...
私は初めてねるの転校前の話を聞いた
いじめられてたなんて知らなかったし、1人なんて...
私の心は揺れた
決めたはずなのに
友香のところに行くって決めたのに
人間として最低になりたくないのに
だけど私はねるを抱きしめてしまった。
私の胸で泣くねるの頭をそっと撫でて
この子を守りたい。なんて思ってしまった。
私は最低だ...
だけど最低でもいい、なんて開き直っちゃったんだ。
私はその日、友香の病室には行かなかった。
そして軍曹に手紙を書いて下駄箱に入れた。
その内容は
『友香を幸せにして。理佐』
続