私と茜が四組の前でふざけあっていると
『うるせーよ』
教室の中から声がした
志&茜:!?
私と茜はびっくりして教室を覗くと
窓のところにこっちを向く渡邉さんが言っていたみたいだ...
志:渡邉さん...!
茜:はじめましてー!
渡邉さんは茜の言葉を無視し再び窓の方に体を向け外を見始めた
茜:なーんだ釣れないなー
志:釣るってなに?
茜:愛佳は馬鹿だから分からないよーだ!
志:はぁ?!
茜はそう言い今度は1組の方にダッシュして行った
志:また走ってるし...
私は走らなかったけど茜の後を追って教室に戻った
教室に戻り席に座って渡邉さんのことを考えた
昨日の帰りは友達のように接してくれたのに
今日は前と同じく冷たく接しられた
だけど絶対諦めないし。
私はこの日から学校がある日は毎日、朝4組に言っておはようって言いに行ったし
帰りも一緒に帰ろうって誘いに行った
渡邉さんは無駄だよって思ってるかもしれない
うざいって思ってるかもれない
迷惑だと思ってるかもしれない。
だけど私は続けた
だって諦めず続ければ
いつか、いつか渡邉さんがこころをひらいてくれるはず。
私はそう信じたから...
だけど私の想いも虚しく
初めて電車であったあの日から
時日はながれ
季節は夏となり
夏休みが近づく
夏休みになったら長い間会えなくなってしまう
期間が空いたら私のいままでの行動がすべて水の泡になってしまい、また1から始めなきゃいけないのかとすこし不安になった。
だけど私はいつの間にか渡邉さんと友達になりたいだけじゃなくて、
渡邉さんを救いたいと思った
いつか渡邉さんの笑顔を毎日見れるようになりたいと思った。
渡邉さんのトラウマが例えどんなに大きくてもそのトラウマを私がなくせるほどの存在になりたいって思った。
いつしか私の心は渡邉さんでいっぱいになっていたんだ。
そしてこれは恋だって蝉がなく暑い夏の日に気づいたんだ。
続