論語は世界を救う
論語の続き
⑩子曰く、
「人知らず憤らず、亦君子ならずや。」
他人が自分のことを知らない、認めてくれないことに怒らず、腹を立てず、憤ることのないように。人に認められるためにやっているのではない。自分の目の前の仕事をよりよくする、作ることが目的なはず。他人の評価を目的にしては、苦しむことばかり。人はそう簡単に褒めたり認めてくれたりしないもの。だから、他人の評価を目的にすると自分が辛くなるし、なんで生きているのか分からなくなるし、やる気が落ちることが出てくる。そんな気まぐれな人の評価を基準に生きてはいけない。基準は自分で定めるもの。ゴールは自分で設定する。常に自分との勝負をするのが君子であり、立派な人。自分のゴールであれば、人は関係ない。褒められれば嬉しいが、褒められなくても自分が自分を褒めればいい。あとは、それで自分が納得するかどうか。全ては自分。自分の人生は自分基準で決めて生きるのだ。他人基準で生きては他人の人生となる。それでは、あなたらしさ、あなたの良さが出ない。他人の評価はその他人の目線から見て良い悪いであって、その他の人の評価とはちがう。そんな曖昧で気まぐれで適当なものに判断基準を置くな。基準やルールは自分で決めて、自分のルールを貫くことが大事。
11 子曰く、
「知者は惑わず、仁者は憂えず、勇者は懼れず（おそれず）。」
知者は判断力があるので迷うことがなく、仁者は広くゆとりのある心があるので心配することなく、勇者は強い心があるので恐れることがない。反対に言うと、迷うことが多い人は学ぶことが大事。心配ばかりしている人は、ゆとりを作るために、人を認め許すことが大切。恐れてばかりの人は、強い心にするために考えられる最悪のケースを想定し、それ以上はないと思い込むことで、あとは上がるだけだと暗示すること。
知・仁・勇の３つを兼ね備えらると良い。そのためには、学び続けて知識と知恵を付け、愛を持って徳を積み、腹を据えて臨む意思を育むこと。
まずは知識が大事。
12 子曰く、
「君子は諸（これ）を己に求む。小人は諸を人に求む。」
徳のある立派な人は責任を自分に求める。一手に引き受ける。だが、徳のない人は責任を人のせいにする。責任を自分に求めれば課題ができるため、課題解決して更に強くなれる。また、周囲はその様子を見て、カッコよく見える。決してあの人は失敗した人だとは思わず、忍耐強さや人としての底力のあるすごい人だと思う。しかし、責任を人に求めると、自分はその時は楽かもしれないが、責任を押し付けられた人に辛い思いをさせ、恨まれるきっかけとなり、果てに自分が嫌われる。また、自分の更なる成長にも繋がらない。責任を自分が負うか人に負わせるかで今後の自分の人生が180度異なる。
13 子曰く、
「之を知るを之を知ると為し、知らざるを知らざると為す。是れ知るなり。」
無知の知。知っていることと知らないことを明確に分けることが知ることの第一歩。それにより、自分の知らないを知ることができる。そうすると、知らないことを知ろうと一歩前に踏み出せる。
にも関わらず、その点を曖昧にしてしまうと、知ってるのか知らないのか混沌としてしまい「知ったかぶり」につながることもある。それでは、恥ずかしい人間。知らないことを自分自身で素直に認め前を向いて歩み出すことが美しい。
知らないのに知ったかぶりして過ごして結局のところ、知らないことが山積みの人生では中身のない人になってしまう。大切なのは自分の知らないを認める器量の深さと勇気、そして、強さ。弱さや知らなさを認めるのはすごく難しいが、徹底的に自己に厳しく向き合うことで、人は一皮向けて芯のある人間になれる。
14 子曰く、
「君子は事に敏にして言に慎む。」
人格の立派な人は仕事がとても速い。しかし、言葉の思慮深さがある。
やるべきことはすぐにやる。後でとか明日やるとか言うようではもっと面倒くさくなる。あれやんなきゃな〜と思うと、気持ちもどよんと下がってくる。しかし、すぐにやれば、仕事も早く終えられ、気持ち的に楽な状態で過ごせる。だから、何事も早く行動することが大切。スタートダッシュが肝心。それが何事も上手くいくための秘訣。言葉は思慮深さが大事。何も考えずに素早く行動するのではなく、よく考えて言葉を選びながら慎重に行動する。烈火の炎のように事に当たり、だが頭は冷静に。
15 子曰く、
「今女は画（かぎ）れり」
自分で自分に限界ラインを作っていないか？やる前から、できないとか無理とかだってとかでもとか言うな。
まずやってみよう。やってみてだめなら分かる。
でも、やらずにできないはちがう。できる可能性がある。
偉人はみな、できないとみんなが言ってることを自分を信じてやってきた人。
やれば道は拓けてくる。一歩踏み出そう。チャレンジすることの大切さを教えてくれる言葉。