高価なウナギよりコンビニのサラダチキン
――科学的に疲労軽減効果が証明されている食べ物はあるのでしょうか?
梶本:あります。産官学連携で行われた抗疲労成分を明らかにする実験で、社会的に疲労軽減効果が期待されている23種類の食品に含まれる成分を評価しました。このうち、科学的に疲労感と疲労を両方抑制する成分としてわかったのは4種類。クエン酸、カルニチン、コエンザイムQ10、そしてダントツの疲労抑制効果を示したのが鶏の胸肉に多く含まれている「イミダペプチド」という成分でした。
――鶏胸肉は、高タンパク・低脂肪食材としてダイエットなどでは重宝されていますが、疲労軽減効果があるというのは意外でした。何か理由はあるのですか?
梶本:渡り鳥は、長時間何万キロもの距離を飛び続けますよね。鳥たちの強靭なスタミナを支えているのは、羽を動かす胸の筋肉に含まれる大量のイミダペプチド。鶏は家畜化されてはいるものの、野生の渡り鳥と同じようにイミダペプチドを胸肉に含んでいるのです。鶏以外だと、海を回遊するマグロやカツオなどの大型魚にも含まれています。
――イミダペプチドを効果的に摂取する食べ方を教えてください。
梶本:1日あたり200ミリグラムのイミダペプチドを摂ること。これは、毎日鶏の胸肉100グラムをとればクリアできます。最初は 2週間続けてみてください。イミダペプチドは加熱にも強いので、鶏肉は蒸してもゆでても焼いてもOK。ゆで汁などはスープにすれば、余すことなく有効成分を摂ることができますよ。
調理をするのが面倒くさい、忙しくて時間がないという人は、コンビニなどで売られているサラダチキンが便利です。最近は、ハーブやスモークなどさまざまな味が売られているので飽きずに食べることができると思います。
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