年金と清掃のパート、貯蓄なしの桐子さん76歳
独身で、頼れる家族もなく、ただ一人の親友と共同生活を始め、ささやかな生活の中に幸せを感じていましたが、親友が病死。
経済的な不安とともに絶望的な孤独を感じていた時に
テレビを見ていたら、「高齢者の犯罪が増えており、一度刑務所から出てきても、すぐにまた犯罪を犯して堀の中に舞い戻ってしまう。刑務所は住むところを提供してくれるし、食べ物もある。お風呂もちゃんと入れるし、医師もいる。寝たっきりになったら介護もしてくれる。」という情報に釘付けになります。
なんといっても死にきれず、介護が必用になった時が一番不安。
刑務所にはすべてがそろっている！
と思ってしまった桐子さんは
どんな犯罪が一番長く刑務所に入っていられるかと
犯罪計画を練り、実行に移そうと頑張りますが・・・・
万引き、偽札、闇金、詐欺、誘拐、殺人
桐子さんが自ら飛び込んでいくのですが、
読んでいる私は、どうにか失敗してほしいと願うばかりでした
余りにも短絡的な発想というか
誠実に生きてきた桐子さんがそんな考えにとりつかれるなんて
76歳の孤独な環境の人の気持ちは、その歳にならないと分からないものかもしれないとつくづく思いました
救いは、誠実に生きていたからこそ、桐子さんを応援してくれる人が周囲にちゃんと居た！ということかな
この先、不安なことはどんどん増えてくるとは思うけど、誠実に、仕事も細々でも継続し、地道に生きていくことが大事かなと素直に思うことができました