先日、仕事の飲み会で、珍しく、横浜駅まで出かけてきました。

 

息子が、まだ、何をしでかすかわからない高校生なので、出来るだけ、夜は出かけないようにしていますが

最近、立て続けに「これだけは。」という仕事が夜に重なって・・・。

 

「大丈夫。」

 

わかった、という返事の代わりに、息子からこの言葉が返ってくることで、彼の精神的な成長を感じ、

本当に申しわけない!でも、本当にありがとう!

と、昼間、仕事中に、豚の角煮と、煮卵を晩ご飯用にコトコトと煮て、他のおかずとともに置いて出かけました。

 

その会合で指定されたお店は、なんと、私がお店をOPENする頃、たった2回しか

お会いしていませんが、大変、私なりに恩義を感じている方のお店!

 

その日は仕事が忙しかったうえ、一旦、帰宅すると、何だか飼い猫の体調も良くなさそうな感じ。しかも雨。

いやいや、それでも「何としてでも行かねば!」と時間に遅れつつ、出かけて行きました。

(猫の体調は、結局、私の想い過ごしでした。良かった。)

 

平日の雨にも関わらず、お客様で大変賑わったお店に着くと、オーナーの特権(!?)で「オーナーは、のちほど来ます。」と店員さん。

そして、しばらくして、わざわざご挨拶に来て下さいました。

 

その方は、横浜の飲食業界では、有名な方。

お店をOPENする時、手伝ってくれていた私の友人が「とにかく、色々な人に顔をつないでおこうよ、𠮷岡さん!」と、

それこそもう!本当に!色々なところに、引っ張って連れて行ってくれた中で、お会いしたお一人でした。

(いや、もう、ほんと、おっかなびっくりでの訪問の日々でしたが。汗汗汗)

 

全く経験のない飲食店を、しかも、景気の悪そうな本牧、という地で、無謀にも立ち上げようとしている、

素人で、初対面の、こんなおばさんの私に対し、その方は、まっすぐ、こちらに身体と顔を向け、

そして、まっすぐ私の顔を見て、

「がんばってください。」

と、力を込めた目と、力のある手で、しっかり握手をしてくださいました。

 

少し、お話をさせて頂き、食事をした帰り。

私は、車の中で、その真っすぐなお気持ちが、時間差でじわじわと染み入ってきて、なぜか、

涙が込み上げてきて、ずっと泣きながら帰ったのを覚えています。

 

大変実績のある方から、「がんばれ!」とゆって頂けたのが、その時は、本当に本当に有難かった。

(私なりの経験ですが、すごい方ほど、私のような人間にも、「がんばれ」とか「一緒に頑張りましょう。」と

ゆってくださいます。しかも、大変、誠実な態度で。いや、もう、本当に。すごい、ですよね。)

 

その頃、私は、本当に、色々な意味で緊張していて。

まず、人様から、自分の仕事に対して「現金を目の前で頂く」ということ。

 

お客様が、あるいは、お客さまのご家族が、苦労をして、色々な想いをされて働いて得た「お金」。

それを、自分が働いた直後、その働きに対して見合ったお金を頂けるのか、という緊張。

あの緊張感は忘れられません。

 

「お店をOPENする経過を写真で店内に流そう~。」

と、友人が言ってくれ、私は、その頃、主人が「お前みたいだ」とゆって買ってきた太ったおばさんの人形に、

毎日、その頃、感じていた気持ちを紙に書いて持たせ、写真を撮っていました。

(結局、OPEN準備は、それどころではなくて、実現できませんでしたが。)

その人形に、大きく書いた「緊張!」と持たせた写真を見て、その方は、笑ってくださいました。

 

そして、うちのお店OPENの日。

何と、開店直前に、わざわざ、遠方から、瓶ビール1ケースを、ご本人が!

たった一言「お祝いです。」と静かに言われ。そして、さっと帰られ。

 

「高倉健さんですか!」(←男性としてではなく、人間として、うちの実家全員大ファンです。)

 

「お店を始めて、7年目に入りました。ずっと、お礼に来たかったんですが、息子がやっと

高校生になって、こういう(夜、出かけられる)時間が持てるようになって来れました!

あの時は、本当にありがとうございました!」

 

FBで何度かやりとりはさせて頂いていましたが、やっと、直接、ご挨拶することが出来ました。

お返しの負担をかけない程度のお土産を渡しつつ。

 

その方は、7年前に比べ、少し、ふっくらとされていたので、

「少し、ふっくらされましたね~」と、やはり緊張してしまって、なかなか話題をみつけられないまま言うと、

「ストレスですよ。」と、あいかわらずまっすぐな、でも、穏やかな目で、穏やかに微笑まれ。

 

冗談風に言われているけれど、裏に隠れている意味・ご苦労に、何も言葉を返せません。

 

「またお店に行きますよ!」

「いえ、いいんです!お気持ちだけで!! とにかく、お身体、お大事になさってください!!

(離れてはいますが) 応援しています!」

 

うちの息子より、少し年下のお子さんの成長をお聞きし、私は、心を精一杯込めて伝えました。

 

「これをやらずに死ねるか!」

ということが、たくさんの方にお世話になった私には、本当に山のようにあります。

ああ、ささやかだけれど、一つ、出来たな。

巨大な牛に向かって、ノミがぴょんぴょん飛び上がっている感じでしかないけれど。

 

自己満足ですが、少し胸をなでおろしつつ。

 

これから、心強いお仕事仲間になってくださるだろう方が、数多(あまた)ある、横浜駅周辺のお店の中で、

別にちゃんと会う機会があったにも関わらず、「もし、よかったら~」と、このお店で会うことのお誘いをくださった

不思議さに胸を打たれつつ。

 

息子のお土産のアイスクリームが溶けないよう、急いで家に向かいました。

 

その方にお会いして、久々に、OPEN当初の緊張感を思い出しました。

「初心を忘るべからず。」ですね。

そして、それを思い出させてくださる方がいる、というのも大変有難い事であります。