物事にはいい面があれば悪い面もある。ここ数回少し気が滅入るような内容も多かったのでネフローゼのいい面も見てみようと思う。
精神的な成長
これは間違いなくある。これは多分若い頃に発病すればするほどこの成長は著しい。
とにかく入院というのは大人でさえ大きな負担だ。それを社会経験もほとんどない子供たちや若者が体験すれば嫌でも成長をする。途中休憩室などに逃げられるとしても基本的に24時間一緒なので大人のいい面だけではなく悪い面も覗ける。いい人もいれば悪い人もいる。その基準は人それぞれなのでどのような人を参考にするかはわからないが、とにかくこういう大人になりたいとこういう大人にはなりたくないが交錯して存在している稀有な空間だといえよう。
この空間は嫌でも経験をつませてくれるので若ければ若いほど大きな成長に繋がる。さらに、俺は寛解後にベッドが足らなくて臨時で外科の病棟に回されたことがある。その時に気が付いたのだけど、内科は常に死が付きまとっていて死に行く人たちも少なくない。外科の場合は時間と共に軽快していくが内科の場合そうでない場合もあり、時間と共に死に近づく人たちもいる。そういう生死の境を垣間見えるのも大きな成長の種だろう。
そしてネフローゼ患者は入院患者の中でも稀有な存在だ。なぜなら健康で元気に見えてしまうからだ。行われる治療も寛解してしまえば薬の服用が基本であり食事が減塩である以外はあまり病人扱いもされない。そのため病室でパシリのような感じになることが多い。しかも若かったりすると病気で入院しているにもかかわらず同室の自分より明らかに軽い病気の人のなんらかの手伝いをされたりする。
その時は「はいはい」とやるのだけど後で妙な悔しさがあったりするものだ。自分も治療でがんばってるのにってね。でも中には本当に自分より重い人もいるわけでそういう人に比べれば自分は元気なだけ増しかなぁと思ったりもして自分の立ち居地が良くわからなくなったりもする。プレドニンの影響もあったりして精神的に不安定になりやすい。
自分の身体を知るいい機会
今まで何も考えなくても走れたし飛べたし運動もできたし歩くことができた。
だけど、ネフローゼは浮腫むことでそれだけで筋肉が落ちる。もちろんプレドニンでも筋肉は落ちる。入院で動かないことで筋肉は落ちる。俺の場合入院後1ヶ月くらい階段の使用をしなかった。腹水が酷かったのもあって絶対安静を言い渡されていたから必要外で病棟の外へ行くことは禁止されていた。なので1ヶ月ほどはその病棟の病室と廊下が世界の全て。
しばらくしてプレドニン治療が始まり寛解した。で、さすがに筋肉が落ちたことに気が付いて階段の上り下りをしようと試みた。するとどうだろう。1ヶ月階段を下りてなかっただけで階段を下りることができない。脳みそが怖がってる。スーッと血の気が引く感覚があって階段から落ちそうになった。ものすごく階段が高く感じたんだよね。で、手すりにすがりながら1段1段ゆっくり降りた。まぁ1回に着く頃には脳ミソはなれたけどあの感覚は本当に不思議だった。
つまり、普通にできたことができなくなってるわけだ。
この階段はひとつの例としてひとつひとつの動作や考え方にいろいろ気がつくことができる。今まで自分の内臓を省みたことはあったかな?血圧?血液の成分?大人になってもアルブミンがなんなのか知らない人だっているだろう。これだけ身体に大きく関わっている成分だけどね。別に知らなくても生きていけるけどこのような身体の知識はよりよく生きることに非常に役に立つ。今は幸いネットでだいたい知識を手に入れられる。なので身体はそれこそ24時間一緒に過ごしているのだから自分の身体をもう少し知ってみるいい機会だろう。
筋トレひとつでも筋肉の動きを知るだけで効果が変わる。
自分を知る
入院で見た社会の縮図と自分自身を省みた時に自ずと自分の方向が決まっているのではないかな。
もちろん違う意見もある。だけどみんなのブログを読んだりしていると同じような方向性を持っているように思える。なんというか、一病息災とはよく言ったよなぁというような感じ。いい方向だ。少なくともその行く先は俺はいいところだと思ってる。いろいろ辛いことや困難はあるでしょう。難病だから他の人のように行かないことも実際少なくない。自分だったり社会の制限が大きく立ちふさがる。うまく兼ね合いが取れないときも多い。だけど、24年前からずっと難病と歩んできた道をそのまま前に伸ばした時、悪いところに着く気がしない。もちろん自営業だから別の困難はある。でもそれとはまた違う感覚はある。で、その方向っていうのは表現方法は違ってもみんな同じ方向を向いてるような気がするんだよね。西!とか東!とかそういうレベルの大雑把さだけど。東京から見て西には静岡も大阪も四国も九州もあるんだけど西は西、みたいな。
最初は難しいこともあるけど24年もたって振り返ると病気も許容できるようになってる。
渦中は大変だけどね。
もちろんプレドニンの副作用は変わらず嫌だけどね(;´Д`)