平成27年6月30日、檀家のお嬢様からお電話をいただきました。
「父親が入院中なのですが、お迎えが近いようです。お金がないので、火葬だけで済ませたいのですが…」
住職は、電話では事情がよく呑み込めなかったので、本光寺までお越しいただくように、お嬢様にお願いしました。
その日の午後、お越しいただきまして、よくよく事情をお聞きしたところ・・・
葬式の準備をしようと、両親の通帳を見たところ、貯金が一銭もないことが発覚！
お嬢様もシングルマザーで頑張っており、経済的に余裕がないということなんです。
住職は決心しました。
「お金のことは心配しなくていいから、お葬式を本光寺の本堂で行いましょう。」
お父様はお寺の祭事にもよく参加され、お寺のためにご協力していただいたので、
お葬式をしないというのは住職にとって妥協できなかったのです。
「でも、お布施はいくら包めば…」
「お布施は本当にお気持ちでいいです。心配しないでください。」
お嬢様は安心した様子でお帰りになりました。
2日後、お父様がお亡くなりになりました。
住職の提案通り、本光寺の本堂でお葬式をあげ、火葬後、納骨まで済ませました。
お葬式後、お嬢様がお越しになり、お布施を置いていきました。
2万円…
そして、数日後、「本当にありがとうございました。助かりました。」と、さらにお布施を置いていかれました。
3万円…
正直、今までにないお葬式のお布施の額です。
しかし、住職の心は、清々しい気持ちで、今までに感じたことのない感覚を覚えていました。
「これこそが僧侶のなすべきことなんだな～」
本光寺ぃぃ話しでした。
ありがとうございました。
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