確定拠出年金の「ベスト」な受け取り方 年金、一時払いどっち?


老齢給付金は、早い人で60歳から、遅くても65歳から受け取ることが出来る。その後70歳迄の任意の時期に、請求手続をして受給を開始する。原則としての「賢い支給開始時期」は、明快だ。確定拠出年金の重要なメリットの一つである「運用期間非課税」を最大限に利用するためには、上限となる70歳ギリギリで受け取りの手続を行うのがベストだろう。

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退職金を年金で受け取る場合の想定運用利回りがどの程度得か(実勢金利よりどれ位いいか)

確定拠出年金内で運用を続けられることの税制、運用商品の手数料等によるメリット

仮に運用利回りを年率5%と想定すると、運用期間中非課税なメリットは1%程度と計算される。実際には5%はやや高めの見積りかもしれないし、受け取り時に運用益が課税対象となる可能性もあるので「1%」はメリットの上限と見ていいだろう。その上で、

退職所得控除を最も無駄なく利用するにはどうしたらいいか

を考えてみよう。複雑だが計算で答えの出る問題だ。一生に一回の事だが、その時には、ゲームを楽しむつもりで考えてみよう。

計算の結果、「年金」として受け取り、資産を取り崩しつつ、残りを引き続き運用していくのが、ベストの受け取り方になる場合が比較的多いのではないだろうか。

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差し当たって使う予定のない金額まで一時金で受け取り、これを課税される口座に移して、確定拠出年金のときよりも条件の悪い商品で運用している、といったちぐはぐな受け取り方をしてしまうことのないように、よく考えて処置したい。


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ということで「ゲームを楽しむつもり?」で計算してみたところ(実際は税金のややこしさに閉口しながら計算しました)


支給開始時期を60受取開始と70歳受取開始で比較してみましたが、70歳受取開始すると税金が非課税運用益を上回る計算になりました

退職金と年金の損得も(横軸が退職金)なんと!というかやっぱり?60歳で退職金控除の38年勤続2060万円をフルで使う&年金が最も得する計算でした(;'')

残念ながら、非課税運用益の1%は厚生年金と一緒に年金課税の炎に焼かれてマイナスになります


去年のブログ記事の続きですねσ(^_^;) 


DCの出口戦略(2019/6/26)


今回は60歳以降の給与所得なしで計算してるし、10年後は課税条件も変わりそうなので退職が近くなったらまた計算し直します


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ちなみに「確定拠出年金のときよりも条件の悪い商品で運用している、といったちぐはぐな受け取り方をしてしまうことのないよう」とありますが、


確定拠出年金口座は退職後に自己負担手数料が5082/年かかり

・記録管理手数料300/月(税抜)

・資産管理手数料60/月(税抜)

・年金受取手数料300/回(税抜)


確定拠出年金の信託報酬は(今となっては)市販品よりも高額です

・先進国株式インデックスファンド(MSCI-KOKUSAI)信託報酬:0.17/年(税抜)


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<仮定条件>

期待リターン5%、非課税メリット1%


<退職所得>

退職所得(一般) =(退職金退職所得控除額)× 0.5

退職所得(勤続5年以下の役員等) = 退職金退職所得控除額


<退職金の税金>

所得税(復興特別所得税も含む) = (退職所得 × 税率 - 控除額) × 1.021

市民税 = 退職所得 × 0.06

県民税 = 退職所得 × 0.04

1円未満の端数は切り捨て

退職金にかかる税金は分離課税で、税負担の軽減が図られている

所得税に復興特別所得税(所得税の2.1%)が付加される

住民税は10%(市民税6%+県民税4%


DC受取条件>

項目と要件

受取開始時期,60 歳以上 70 歳未満

年金・一時金の選択,原則として年金だが、一部または全部を一時金で受け取ることも可

年金受取の場合の支給期間,5年以上20年以下

年金受取の場合の各年の年金額,受取開始時の残高の5%以上50%以下


<社会保険料>

協会けんぽ,44万円


<年金所得税額>

(公的年金額-公的年金等控除額-公的年金等の基礎控除額-配偶者控除額-社会保険料等の金額)×所得税率


年齢,公的年金等収入額,公的年金等控除額

65歳未満,130万円未満,70万円

65歳未満,130万円以上,410万円未満,年金等収入金額×25%+375千円

65歳未満,410万円以上,770万円未満,年金等収入金額×15%+785千円

65歳未満,770万円以上,年金等収入金額×15%+785千円

65歳以上,330万円未満,120万円

65歳以上,330万円以上,410万円未満,年金等収入金額×25%+375千円

65歳以上,410万円以上,770万円未満,年金等収入金額×15%+785千円

65歳以上,770万円以上,年金等収入金額×15%+785千円


公的年金等の基礎控除額,38万円

社会保険料等の金額,支払った金額

配偶者控除額,70歳未満 38万円、70歳以上 48万円

所得税率,5%


<年金住民税=市民税+県民税>

(公的年金額-公的年金等の控除税額-公的年金等の基礎控除額-配偶者控除額-社会保険料等の金額)×税率-配偶者調整控除額+均等割負担額


税率,市民税 6%、県民税4

公的年金等の基礎控除額,33万円(所得税の額とは異なる)

配偶者控除額,70歳未満 33万円、70歳以上 38万円

配偶者調整控除額,所得税と住民税の配偶者控除額、基礎控除額の差額に市民税は3%、住民税は2%を掛けた額

均等割負担額,市民税 3千円、県民税 1千円(非課税判定あり)

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