寒い日が続くと、アツアツの甘い石焼き芋が恋しくなる。そもそも、なぜこんなに甘いのだろうか。


「収穫直後の生のサツマイモを食べても甘くはなく、加熱することで甘みが生まれるのです」。そう教えてくれるのは、農研機構北海道農業研究センターの片山健二さんだ。サツマイモの新種開発に取り組んできた。

 

 



物産コーナーで売られる焼き芋=東京都千代田区で
2023年1月26日午後0時7分、田中韻撮影

 

芋類に含まれる糖質の大部分はでんぷんで、加熱するとのり状になる。これを糊化(こか)と呼ぶ。サツマイモの中には「βアミラーゼ」という消化酵素があり、糊化したでんぷんに作用して、水あめの主成分である麦芽糖に分解する。これが甘みの正体だ。

 

芋類にはジャガイモやサトイモなどいろいろあるが、サツマイモだけがβアミラーゼを大量に含むため、甘くなるのだ。(毎日新聞、2023.2.1 )