「朝顔」の欧州美術工芸 ジャポニスム
千代女の名句「朝顔やつるべ取られてもらひ水」を題材に!
千代女の里俳句館(白山市、石川県)で9月15日、明治百五十年記念特別展「朝顔の美-ジャポニズムと俳句」が始まった。同市出身の江戸時代の
俳人、加賀の千代女(1703〜1775)の名句、「朝顔やつるべ取られてもらひ水」をモチーフ(仏語、題材)にした、19世紀から20世紀初頭の欧州の作家らによる美術工芸品など7点が、10月14日まで展示される。
江戸時代後期から明治期にかけて、特に、19世紀後半のフランスで、浮世絵の移入やパリ万国博覧会の出品物など、日本文化が欧州で紹介され、多くの人たちを魅了し、流行した。印象派の画家、ゴッホ、モネ、ドガたちにも影響を与え、こうした「日本趣味」はジャポニスム(仏語)と呼ばれた。千代女の句も伝えられ、「朝顔」は欧米人の日本への憧れの象徴にもなったという。
「朝顔」の欧州美術工芸、ジャポニスム

ガーデン用陶製置物「井戸に朝顔」、アサガオの花やツタがからまる井戸の置物などが並ぶ会場、千代女の里博物館、白山市、石川県、北陸中日新聞、2018.9.16
(解説)出展作品のガーデン用陶製置物「井戸に朝顔」は、フランスの陶芸家エルネスト・シャプレ(1835 〜1909)が19世紀末期に制作。西洋風の井戸にアサガオの花やツタが巻き付いていて千代女の句、「朝顔やつるべ取られてもらひ水」の影響を色濃く受けている。
陶製置物「朝顔花」とともに、米国ニューヨーク市の「美代子 海野 デイビー」さんから寄贈され、今回が初出展になる。このほか英国製の「金彩粉吹染付朝顔文皿」、アサガオと虫が描かれたフランス製の「朝顔文ガラス深皿」、「朝顔に」の句を解説した英国の書籍「海と陸」の初版本などが並ぶ。
同館の山下法宏学芸員は「俳句館での美術工芸品の展示はあまり例のないこと。千代女の句が欧州で好意的に受け止められたことなどを感じてもらえれば」と話している。(北陸中日新聞、2018.9.16)