大腸内視鏡を受けた方は以下のような疑問を持ちます
疑問①「本当にポリープの見落としは無いのか?」
疑問②「ポリープの切除は完全なのか?」
疑問③「これで、しばらくは大腸癌にならないのか?」
このような疑問を持つのは「極めて合理的」です。
しかし・・・疑問への回答は
「そんなことは確認しようがありません」
が答えになります
例えば疑問①「ポリープの見落としは無いか?」を確認するには検査後に外科的に大腸を摘出して調べる必要があります。そんなことはできませんから「永遠に不確定」なのです。
科学的な議論するなら確認できる数字が必要です
「内視鏡を受けた患者さんに、その後に大腸癌が発症する頻度」は客観的に確認できます
専門的には「内視鏡後・大腸癌発生率(PCCRC-Rate)」といいます。
これは大腸内視鏡で最も重要な指標です
そして当院HPで公開している「精度保証内視鏡の結果」が疑問①②③への答え(代替案)になります
確認できない数字を議論してもしようがないので確認できる指標を土台にして議論をするという発想です
このような「代替案(サロゲート・マーカー)」は内視鏡の世界ではよく使われます(最も有名なのはADR=Adenoma detection Rateです)
結局、内視鏡は物理や数学のような理論科学ではなく「プラグマティズム」なのです。