早いものでもう7月…で、お復習いのアイコンを変えてみました。
そして27話ですが、ついに、ついに、なので一話分だけのお届けです。
#27 折られた笛
内功が底をつき、剣も握れなくなった李蓮花を連れ去ったのは、客桟で最初に現れた幽鬼。あの時、3人を襲うフリをした。まるで何かを確かめるように。
そして…
人頭煞の使者(=幽鬼もしくは怪物)達が集まる洞窟に、蓮花は無事でいた。
安堵するも何者かの気配がして…「小心!」
蓮花を庇う多病と、前に出る阿飛。
現れたのは人頭煞の使者のひとりで、阿飛の一手に乾坤如意手の構え。
その腕を掴んで動きを止めたのは陸剣地。
「有道…お前なのか」
首から下げているのは、剣地が蓮花に贈った瓢箪で…
ならば私のことも覚えているはず、と。
かつて、百花醸の入った瓢箪を武術で奪い合い、それは剣地の物となる。
金有道にとって、それは…
「陸殿に瓢箪をもらっていて幸いだった」
蓮花にそう言わしめるほど、長く苦しい一夜だったのだろう。
火を焚いて逃れ、光が差し込んで動きが鈍くなった連中を牢に閉じ込めた。それもこれも、金有道の存在あってこそ。
しかし、何故か有道だけは、光を恐れない。
「金殿の人頭煞は、10年前の物とは違うのやも」蓮花は続ける。
「南胤人は、武林の者たちを石寿村に連れてきては効果を試した。だがおそらく、痋虫はまだ完成をしていない」と。
「酷すぎる!」3年の間探し続けた金有道が怪物のようにされ、陸剣地は怒り心頭だ。
「まさか、黄泉府の主も?」不安げな多病に、蓮花はある物をとりだした。
阿飛が言い当てた。
探している相手、黄泉府の主連泉も、この村を訪れていたという何よりの証拠。
襲われるも剣を折ることで注意を惹き、その隙に逃げ出した、蓮花はそう推理する。
深手を負って石寿村を訪れ、また襲われて…一体何処へ隠れたのだろう?
有道と共に剣地が旅立つという。
友を元に戻す術を探す旅だ。
2人が去り石長老達を牢に閉じ込めると、蓮花の云う“重要な物”を見に行くことに。
南胤人の目的が記された書き付けが…
壁画の拓本には、業火虫を生み出す南胤の秘術が記されており、頭蓋骨の中で育った業火虫には母と子がいて、母虫を手にすれば子虫の宿主を操れる…とある。
100年前も、今も、南胤人の目的は人を操ることだった。
南胤は100年前に滅び、業火虫も行方知れず。
頼りの拓本は描写の一部が不完全のまま終わっている。この十数年試行錯誤を繰り返すも、人頭煞の製法はことごとく失敗。
業を煮やした彼等は、人頭煞を諦め、羅魔天氷を捜して業火虫を得る作戦に切り換えた、というのが蓮花の見解。
石長老と多病から相次いで「南胤」「金鴛盟」という言葉を聞いた阿飛は…
記憶の一部がおぼろげながら浮かんでくる。
南胤人は四顧門と金鴛盟を爆破した。角麗譙が南胤人だと知っていたか?
拓本には、無心槐の解き方が載っていた。記憶が戻れば敵対するかもしれない。それでもかまわない、と蓮花。
解毒を終えた阿飛を連れ、表に出ると…
多病が飛び出すも、雪公と血婆から同時に責められて…
相夷太剣のひとつ、遊龍踏雪(東方青塚の梅園で珍しい梅の花を手折ろうとしたが、断られて腕比べに。その時相夷が使った技で、結果梅の枝は手折られた)
“少師”は至剛の剣
“刎頸”は至軟の剣
李相夷と角麗譙の舌戦は…
相夷の勝利。壁茶之毒で弱っているはず、と今度は武術で挑んだものの…
「後日借りは返す」
負け惜しみを残し、金鴛盟聖女は笛盟主を連れ去った。
内功を使い戦った蓮花には、やはり反動が…
蓮花が李相夷だという事実を突きつけられ、頭が真っ白になる。
時が経つにつれ湧き出してくる負の感情を、どうすることもできない…だから、施文絶から聞いた話しを、そのまま蓮花にぶつけた。雲鉄で作った鎧を貫けるのは、刎頸のみだと。
「雲鉄は血で青く光る。言い逃れはできぬ」
寝耳に水だった。それは、ある事実を蓮花に突きつける。
10年前、相夷が18歳の誕生日を前に、単狐刀から贈られた軟剣が、馬家の天外雲鉄で作られていたとは…
「共に苦難を乗り越えた刎頸の友、師兄からの贈り物ゆえ…」
賀家の雲鉄で作られたということは、単狐刀が生き残った息子からその在処を聞き出して、口を封じた、ということだ。
その真実を、師兄の息子である多病にどう告げたらいいのか…
もっと確実な情報が必要で、それには時間がいる。
だが、蓮花のそんな想いも今の多病には通じない。
多病の真心は、この笛のように折れたのだった。
蓮花を残し去ってゆく多病の心にあるのは、果たしてどんな想いだったのか…
10年、師兄の骸探しに憂き身をやつしてきた蓮花…
南胤の陰謀を打ち砕くという重たい責務がのしかかっている…
金鴛盟には角麗譙に連れ去られた阿飛こと笛飛声の姿が。
無心槐は解毒され、すべての記憶を取り戻していたのだが…隠された10年前の陰謀を暴き、麗譙の企みを探るため、玉城を出たばかりのフリを装うことに。
あの日以来、3日の間眠り続けていた蓮花…
蓮花楼の外で倒れていたところを、後を追ってきた蘇小慵が助けたのだ。
普渡寺の無了大師いわく、毒は肺腑に達し、発作は3日に一度。
蓮花が正気を保てる時間は減りつつある。
こんな時に何故方多病が傍にいないのか…
心配そうな表情を見せる小慵。
何故ここにいるのか、という蓮花に、羅魔鼎のことがわかったと。
「業火虫の子虫が中にいるのだろう?」
「そう、母虫もいるはずなのに羅魔鼎からは姿を消してたみたい。不思議よね、角麗譙が南胤人なら、天氷の収集に何故苦労を?」
財宝と天氷を手に、中原に来た4人の子孫達は出自を隠していた。豪華な暮らしに慣れ祖国復興への興味を失った今、天氷も集めづらいのでは、と蓮花。
小慵の祖父文才によれば、母虫は宿主さえいれば千年でも生き、子虫は母の位置がわかるのだそう。麗譙が羅魔鼎を手に入れたのは、中の子虫に母虫の位置を探らせるためだ。母虫さえ見つかれば子虫はいくらでも増やせる…
つまり、操れる武人を際限なく作れる、ということ。
3つ目の天氷を持つ連泉探しを焦る蓮花に、先ずはお腹を満たして、と、小慵は料理をふるまう。彼女は少々お喋りだが、時と場合を心得た、蓮花にとってよき友だ。
「蘇さん、苦労をかけた」
そうねぎらうと、気にしないで、と返ってくる。
「なんであんな辺鄙な村、万聖道は知ってたのかしら…」「万聖道?」
米袋の印は万聖道の内部で使われるものらしく、しかも、蓮花はその図案に見覚えがあった。
10年前、四顧門と金鴛盟は共に雷火弾で打撃を受けた。それを売ったのが万聖道で、
単狐刀の持ち物と同じ印を使っているとあっては、両者の関連を疑わざるを得ない。
天氷を集め、羅魔鼎を開けて、子の業火虫で母虫を捜し出し、武林のみならず国までを滅ぼそうとしているのだろうか…
この10年の間、単狐刀はどんな役割を演じてきたのか?
よもや万聖道の影の主とは、師兄のことなのか…
目覚めてからと云うもの、優しくなった笛飛声の言動に…
雪公が注意を促すも聞く耳をもたず、飛声に無心槐を浴びせかけた男も登場し、穏やかならぬ会話が飛び交っている。
笛盟主不在の10年で、金鴛盟の勢力図が変わったのだ。
甘く見ていた、借りは倍にして返させる!
漁夫の利を狙うのだ。
どうにも心がざわついて、多病は普渡寺を訪れる。
李相夷をよく知る大師に、聞きたいことがあるからだ。
その頃、百川院で事件が起きていた。
密告と密偵の証言で、李蓮花が疑われることに…
その蓮花は蘇小慵の協力の下、動き出そうとしていた。
#27 の感想
実はですね、“万人冊の江湖強者ベスト3”で、計算あわないんですけど、と騒いだ疑問がすんなり解けちゃいました。原作本では30歳想定の蓮花ですが、ドラマでは28歳設定だったんです(李蓮花の百度より)15歳で天魔を倒して天下第一に。17歳で四顧門設立。東海の戦いはその翌年の18歳。喬婉娩が14年前に頼み事をしたのはそういうことだったんだと、スッキリサッパリ!!!
本題の感想ですが…
多病は心根が真っ直ぐでお坊ちゃま気質+やっぱり★3つだわ〜と💨💨💨
あとね、お気づきの方もいらっしゃるかと思うのですが、27話までは「蘇姑娘」だった蓮花ですが、次話から呼び方が変わります(*´艸`)
日本語字幕は変わらないままなんですけど…😔