今更感満載ではありますが、12月14日の“南極の日”にちなみ、アムンゼン・スコット基地を、ペンギン于達赤のメモリアルポイントとし、話を進めさせて頂いておりますm(__)m
上記より、以下は完全なフィクションでございます。
緯度: 90-00S、経度: 000-00E、海抜: 2830m※
地球上で最も気温が低く、定住する生き物が皆無の場所に、ペンギン于達赤の記念碑と呼ばれるメンヒル(巨大記念物)があるのをご存じだろうか?
それは、ある日忽然と姿を現したという。
☆☆☆
南緯66.33”地点より南方ともなれば、氷の大陸には昼と夜の境がなくなる。一日中太陽が沈まない白夜と、日中でも薄明かりの極夜だ。
そんな氷山の一角に、于達赤ペンギンたちは暮らしていた。
冷たい海水に適応し、水中を自在に“飛ぶ”ことを得意とする于達赤隊員は、冬の白夜続きという環境下で、他種族達との交流が盛んになる。なかでも、最年少のトクマンなどは「目標は友達百人」などと、いささか浮かれ気味である。
「プジャン!!! た、大変ですッ」
トボガンするチュソク
白夜続きもなんのその、不眠不休のチュンソクの元に、超特急のトボガンで飛び込んできたのは、青氷地域で子ペンギン達の見守り隊長をしていたチュソクである。
「なんだ、どうした?」
「いないんですよっ! お子達が、いなくなっちまったんです!!!」
「なんだとぉぉおおお? よく探したのか?」
「ははっ、なにせテジャンのお子達ですから、それはもうあちこち…」
幼綿羽から大人の羽毛に生え替わるのが、他のヒナ達よりも早く、子ペンギンの二羽は、水中遊泳を始めたばかりだ。
テジャンも医仙さまも不在のこの時期に…
まったくなんだって…
いや、とにかく探し出して一刻でも早く保護せねばっ
プジャンから于達赤への指示
「乙は氷のトンネル付近をしらみつぶしだ! 」
氷のトンネルはこんな感じ
「丁は潜水が得意な班だったな。棚氷を当たってくれっ! 」
洋上に浮いている棚氷は深いところで陸繋がり
「プジャン、俺は?」
「トクマンか。 お前は…(ダメもとだが)コウテイ族に援助要請をしてこい」
「はっ!」
プジャンのゲキが飛び、隊員達が散って行く。
チュンソクには“報告”という、他の隊員にはまかせられない仕事があった。
俺が行かねばなるまい
急ぎテジャンの指示を仰がねば
☆☆☆
「そっち側できた?」
「こんな感じかな?」
「ちょい真ん中ヘコませようよ」
カリカリ、ガリガリ、トントン、シャリシャリ
「できた!!!」
「うん、完成!」
「アボジ、よろこんでくれるかな…」
「アボジよかオモニがうれしがるよ、きっと」
「だな。でもさウネ、于達赤の兄さんになにも云わずに来ちゃったから」
「ん? ソン、叱られない方法があるって云ってなかった?」
「そ、そうだけど…こんなに時間かかると思ってなくてさ」
ヨンとウンスの双子の子ペンギンは、顔を見合わせ肩をすくめる。
「ね、で急いで戻ったほうがよくない?」
「そうだね」
「ソン、戻るのも例のルートよ! 行こう!」
「おう!」
ソンとウネには秘密のルートが存在
☆☆☆
その頃、于達赤プジャンは…
武功を最高位に上げる修練中のチェ・ヨンに、事の次第を伝えるべく単身南極点を目指していた。
この寒さに耐えられる于達赤は、テジャンと俺くらい…
いや、于達赤経験者の医仙さまも、か
なんとも夫婦愛が深くていらっしゃる
ズズッと鼻水をすすりつつ、彼はトボガンの速度を増したのだった。
その頃、トクマンは…
コウテイ族の禁軍を総動員して、南極点へと迫っていた。
迫力のトボガン
「後残されてるのは、ここだけですかね?」
「海へは行かぬはず。トクマン、その子らまだ幼綿羽だろう?」
「それが、もう生え替わってて…」
「はぁ〜(*゚ロ゚)…さすがは于達赤テジャンのお子達だ。だが、やはり海はないだろうな。風が強すぎる」
「そうです、かね」
さらには同じ頃、于達赤乙も丁も…
独自の捜索方法で、ソンとウネを追跡
それぞれが、チェ・ヨンのいる緯度: 90-00S、経度: 000-00E付近へと向かっていたのだった。
☆☆☆
そしてその南極点付近では…
チェ・ヨンが高揚した面もちで、ウンスの前に現れた。
「イムジャ、やり遂げました!」
厳しい環境下で内功を練り修練を積んだ結果、武功が最高位に上がったのだ。
「さすがだわ」
「貴女のおかげです」
「なにもしてないわよ」
「信じて俺の傍に…」
やり遂げた男と密かに重力ダイエットに励んでいた女
久しぶりの甘いムードに、水を差したのは…
それぞれの捜索から一群となった于達赤軍団
「「「テジャ〜ン!」」」
チュンソクを筆頭に、チュソク、トルベといった于達赤の面々だ。
「アレをっ…アレを、見て…ください」
皆が指さす方向は同じ。そこには…
ブルーアイスのメンヒル(モニュメント)
「ちょっと、あれハートだわ!」
その形の意味を知っているのは…
「「ソンとウネ」」
子らの両親は顔を見合わせた。
「そ、それが…お子達の姿が見当たらず、隊全員でルート分けをし、捜索した結果、こちらに辿り着いた次第でして…」
「詳しく話せ」
青氷地域に居たはずの子ペンギン達が忽然と姿を消し、二手に分かれ捜索をした結果、あのモニュメントを発見した、とチュンソク。
「ねえヨン、心配だわ。あの子達、今どこにいるのかしら…」
「イムジャ、実は…」
子達に青氷地域の洞窟から氷棚を経て、南極点付近へと通じるルートを教えたのは、チェ・ヨンだったのだ。
「おそらく今頃は、元の場所に帰り着いているはずです」
「そんな大事なことっ、ひとっことも聞いてない💢」
どうやらウンスの怒りモードにスイッチが入ったようだ。
「テジャン、医仙さま、いったんお戻りになりますか?」
空気を読んだトルベが割って入ると、ウンスが笑を浮かべながら…
「あの子達がこしらえたものをもう少しの間見ていたいわ、いいわよね?」
「ああ、そうだな」
チェ・ヨンはウンスの笑顔に滅法弱かった。
「では、于達赤達戻ります」
☆☆☆
そして…
再びふたりきりのラブモードON!
♡がよく見える場所に移動してます
「ねえ、子供たちからのプレゼントをこうしてふたりでゆ〜っくり眺めるのも悪くないわね」
「何故“はあと”の形なのか…以前貴女は、男女の情愛を表す物だと」
「博愛っていう意味もあるの。あれは…そう、家族愛の形ね!」
「家族、愛」
ウンスの言葉が激しくチェ・ヨンの胸を打つ。
「私たちもそろそろ戻らない? あの子達、フリッパーが傷ついてないか心配だわ」
「…そう、ですね」
声が掠れその目が潤んでいる。
「ちょっと、あなた泣いてるの?」
「泣いてなど!」
「武功で最高位のテジャンに、涙目なんて似合わないわ。ほら、拭いてあげる」
泣いてなどいない、子達の“はあと”に感動しただけ、とチェ・ヨンが取り繕う。
「コホン…しかし、(貴女に似て)ソンは無謀が過ぎる」
「あら、無謀なのはウネの方よ」
「イムジャ、逆だろう」
「ヨン、あなた一方的すぎるわ」
「イムジャこそ…」
☆☆☆
「あれ? 于達赤のお兄さんはどこ?」
「誰もいないな。ウネ、どうする?」
「それよかさ、アボジとオモニは見てくれたかな」
「うん、きっと見てくれたさ」
「口げんかとかしてないよね?」
「大丈夫だよ、だっていうだろう?」
夫婦喧嘩は犬も喰わない
☆☆☆
コウテイ族と子ペンギン探しをしているトクマンはといえば…
「隊長、さっきから同じところをまわっているような気が…」
「トクマン殿、どうやら地場の感覚が狂ったようで…」
「ひぇ〜 俺達迷子状態ってことですかぁ〜」
どうやらお後がよろしいようで…
今年も残すところあと一日。
なんだかんだで気の抜けたサイダーみたいな「南極の日」part6ですが、やっと、やっと、書き終えました(^_^;
ムダに長くて申し訳ありません!!!
2024年もペンギン于達赤の面々が楽しく暮らせることを願って!
寒い日の過ごし方を教えて!
飼い猫を膝の上にのせて、手と膝を温めてま〜す
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