一つ前に1/2をアップしています。

 

そしてゴメンなさい。遅くなりました…

続けてのアップができなくて、四苦八苦… 

 

 

 

親指と人差し指に力が入りすぎだ。

筆の持ち方から教えてさし上げねば…

 

十干も、十二干も、初めからの組み合わせ、ね?

間違えないように…

この男(ひと)の文字を汚さないようにしなくちゃ。

 

ウンスの背中を囲うようにして卓に手をついたチェ・ヨンが、書くべき文字を教えてくれる。

時折見つめ合い、笑い合いながら…

そうやって、一文字記すごとに、二人の心が寄り添っていった。

 

 

 

「最後は…ブタ( 亥 )※かな? ここも…音読みの “へ” でいいのね。」

 

仕上がったばかりの数詞の紙と筆を手にしたまま、ウンスが声を上げる。

 

「ウヮオ!

ちょっとした驚きだわ。

ヨン、見て。

 

漢字だと…ほらさ、苦手意識が先に立っちゃってわからなかったけど…

こうやってハングルで書いて初めてわかった。

…10と12の周期がきれいにできてる。」

 

「見せてください。」

 

その女人(ひと)の隣に腰をかけ腕をまわすと、はにかんだような微笑みを浮かべ、すっぽりと収まってくる。

 

「何かを、貴女と共に作ったのは、初めてです。」

 

「うん。ここ(漢字)とあっち(ハングル)が、この一枚の紙の上にあるんだわ。」

 

イムジャ…

貴女と、俺も、そうなれるんだろうか。

 

ここに、根を張れるかしら。

そうすれば、チェ・ヨン、あなたと…

 

 

「ねえ、年明け、まだかしら? 」

 

「もう、間もなくかと…」

 

腕時計が動いてたらわかるのにね。

でも壊れちゃってるし、正確ってわけでもない。

そうか、そうよ、どうせなら…

 

「ね、フライングしない? 」

 

「ふらいんぐ…ですか? 」

 

悪戯そうに瞳を輝かせ、チェ・ヨンの腕の中から抜け出すと、ウンスがスックと立ち上がる。

 

「そう、フライング。前倒しよ。

…どうかしら? 」

 

チェ・ヨンは差し出されたその手を取って…

 

「貴女さえよければ、俺は、いつだって構いませんが。」

 

その女人(ひと)を抱きしめると…

芳しい華の香りと、柔らかな温もりに包まれる。

 

腕に、力がこもった。

 

 

ウンスが腕の中でモゴモゴと動く。

 

「ちょっと、これじゃあいつまで経っても、キスができない…」

 

膨らましたほっぺたに、チェ・ヨンが笑いながら唇を寄せると、今度は口を尖らせて、そこじゃないと伝えてくる。

 

「目を、閉じてください。」

 

ウンスがその目蓋を閉じるのと、チェ・ヨンの唇が触れてくるのと、どちらが先だったのか…

口づけた途端、まるで心の鍵を開けたように、閉じ込めていた互いへの想いが溢れだした。

 

☆☆☆

 

チェ・ヨン。

もう年が明けてるわね…

去年は、わたしにとって良い一年だったって、そう思ってる。

本当よ。

2013年、あなたが無事に過ごせますように…

 

イムジャ。

天界では至正壬辰( しせいじんしん )の年を迎えたのか…

陰陽五行によれば、今年は相剋( そうこく )の年。

土が水をせき止め、濁らせて、その行き場を見失うやもしれぬ。

それでも…何があろうと、俺が、貴女を護ります。

 

 

 

終わり

 

 

 

※中国や韓国では「亥」=ブタを意味するそうです。

 

 

 

面白がって、wikiを参考にして十干十二支を作ってみました!

あれもこれも…謝っておきます。(シ_ _)シ<(_ _)>

あーあ、またJackがやってらあと、一つ広い心でお許しをば!!!

(かなり信憑性に問題があります)

 

しかも三つ目の鍵って…どこまで外れたのか、外れてないのか???

気持ち的には…はい、しっかりと最後まで?外れております。

(☆三つを押しても、別館へ…は飛びませんです)

 

きゃー

今晩も、お後がよろしいようで…

 

最後に、タイトルにある朔( ついたち )ですが、陰暦の、月の第一日のことだそうで…

 

 

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