一つ前に1/2をアップしています。
そしてゴメンなさい。遅くなりました…
続けてのアップができなくて、四苦八苦…
親指と人差し指に力が入りすぎだ。
筆の持ち方から教えてさし上げねば…
十干も、十二干も、初めからの組み合わせ、ね?
間違えないように…
この男(ひと)の文字を汚さないようにしなくちゃ。
ウンスの背中を囲うようにして卓に手をついたチェ・ヨンが、書くべき文字を教えてくれる。
時折見つめ合い、笑い合いながら…
そうやって、一文字記すごとに、二人の心が寄り添っていった。
☆
「最後は…ブタ( 亥 )※かな? ここも…音読みの “へ” でいいのね。」
仕上がったばかりの数詞の紙と筆を手にしたまま、ウンスが声を上げる。
「ウヮオ!
ちょっとした驚きだわ。
ヨン、見て。
漢字だと…ほらさ、苦手意識が先に立っちゃってわからなかったけど…
こうやってハングルで書いて初めてわかった。
…10と12の周期がきれいにできてる。」
「見せてください。」
その女人(ひと)の隣に腰をかけ腕をまわすと、はにかんだような微笑みを浮かべ、すっぽりと収まってくる。
「何かを、貴女と共に作ったのは、初めてです。」
「うん。ここ(漢字)とあっち(ハングル)が、この一枚の紙の上にあるんだわ。」
イムジャ…
貴女と、俺も、そうなれるんだろうか。
ここに、根を張れるかしら。
そうすれば、チェ・ヨン、あなたと…
☆
「ねえ、年明け、まだかしら? 」
「もう、間もなくかと…」
腕時計が動いてたらわかるのにね。
でも壊れちゃってるし、正確ってわけでもない。
そうか、そうよ、どうせなら…
「ね、フライングしない? 」
「ふらいんぐ…ですか? 」
悪戯そうに瞳を輝かせ、チェ・ヨンの腕の中から抜け出すと、ウンスがスックと立ち上がる。
「そう、フライング。前倒しよ。
…どうかしら? 」
チェ・ヨンは差し出されたその手を取って…
「貴女さえよければ、俺は、いつだって構いませんが。」
その女人(ひと)を抱きしめると…
芳しい華の香りと、柔らかな温もりに包まれる。
腕に、力がこもった。
☆
ウンスが腕の中でモゴモゴと動く。
「ちょっと、これじゃあいつまで経っても、キスができない…」
膨らましたほっぺたに、チェ・ヨンが笑いながら唇を寄せると、今度は口を尖らせて、そこじゃないと伝えてくる。
「目を、閉じてください。」
ウンスがその目蓋を閉じるのと、チェ・ヨンの唇が触れてくるのと、どちらが先だったのか…
口づけた途端、まるで心の鍵を開けたように、閉じ込めていた互いへの想いが溢れだした。
☆☆☆
チェ・ヨン。
もう年が明けてるわね…
去年は、わたしにとって良い一年だったって、そう思ってる。
本当よ。
2013年、あなたが無事に過ごせますように…
イムジャ。
天界では至正壬辰( しせいじんしん )の年を迎えたのか…
陰陽五行によれば、今年は相剋( そうこく )の年。
土が水をせき止め、濁らせて、その行き場を見失うやもしれぬ。
それでも…何があろうと、俺が、貴女を護ります。
終わり
※中国や韓国では「亥」=ブタを意味するそうです。
面白がって、wikiを参考にして十干十二支を作ってみました!
あれもこれも…謝っておきます。(シ_ _)シ<(_ _)>
あーあ、またJackがやってらあと、一つ広い心でお許しをば!!!
(かなり信憑性に問題があります)
しかも三つ目の鍵って…どこまで外れたのか、外れてないのか???
気持ち的には…はい、しっかりと最後まで?外れております。
(☆三つを押しても、別館へ…は飛びませんです)
きゃー
今晩も、お後がよろしいようで…
最後に、タイトルにある朔( ついたち )ですが、陰暦の、月の第一日のことだそうで…