月曜日…今日からまた100本ノックの日々が始まります
でも大丈夫、先週を乗り越えたんだから、何とかなります!

ではでは仕事の前に軽い小話を…
二人はまだ水車小屋を改良した庵におりまする



「貴女のいらした天界にはあるのに、高麗には無いもの…山が一つ二つできるほどあるのでしょう?
イムジャにとって今の高麗に欲しいものとはなんですか?」

「キムチ!
唐辛子のいっぱい入った、辛—いキムチがないこと
ここにはまだ唐辛子がないのよね」

「西域の貿易商に探させましょう
…他には?」

「お風呂!
ジャグジーとまではいかなくても、ゆったりと脚を伸ばしてお風呂に入りたいもの」

「では屋敷の風呂を大きなモノに
…それと?」

「映画かな
映画が見られないのはちょっと寂しいな ドキドキするような一本が観たいの 自己投影しまくってヒロインになりきるんだから」

「ひろいん?」

「主人公ってこと
たいていは若くてキレイで…すてきな相手役も必要ね」

「イムジャは若くておきれいです
すてきな相手役は…いりませぬ

えいがとは異なりますが、芝居なら観られますよ
若くて美しい主人公が出てくるかどうかは…
…それと?」

「腕時計かな…
日時計でよく時間通りに事が進むと思うくらい
わたしはまだだめね…感覚がつかめなくって…
でも…なくてもそれはそれで困らないかな…」

「あれば俺が待ちぼうけを食わなくてすむのですか?」

「えー???
待っているのはいつもわたしの方だわ」 

「…そういうことにしておきましょう…
…それから?」

「医療機器なら何でも…って、これはいくら何でも無理ね…
やっぱり電気かな
ソーラでもいい
要はバッテリーに蓄電できればいいわけよ
んん?」

「……」

「ヨンア…あなたの雷功って…どうやって放つのかしら?
あれってピリピリするから電気よねぇ? ねぇ?」

「でんき とはなんなのです?
それに俺はイムジャに雷功など放ったことがありませぬ」

「あら?
気付かないの?
あなた…その…ちょっと前にね…何度かピリッて…」

「ちょっと前とは…何の前なのです
イムジャ…俺にはわかりかねる
はっきり言って下され」

「……いっ イク…
やっぱり言えない…
もう…察してよ…ヨンのイジワル!」


『イムジャ…ここでの暮らしは貴女のいらした時代とくらべたら…無いものだらけなんだろうな…
攫うように天門をくぐりこの地へと繋ぎ止めた
貴女を慈しんで育てた両親…貴女を必要とした人々から引き裂いた…
それなのに貴女は今こうして俺の腕の中で笑いかけてくれる…

見失っていた四年の間、こうして貴女を抱き、貴女が笑うのを…どんなに切望したか…
…貴女は天界に戻られたのだと…なぜ俺は一瞬たりとも思わなかったのだろう…
‘生きる’ことを俺に教えてくれた貴女は…俺にとって、そして貴女にとっても…互いが必然だということか…

俺にできることは…貴女が後悔せぬよう二人共に生きること…』


「ねえ…
ヨンア…わたし、天界にあってここに無いものを考えるより…
あのままソウルにいたら会えなかったあなたにこうやって会えたことの方が大事なの…
だから、だからね…




唐辛子とお風呂以外はガマンしてあげてもいいわ」

☆☆☆

『それにしてもヨンの雷功…何とか蓄電できないものかしら…

昔香港ドラマで見たのよね…
時空を超えるために雷を蓄電する方法

香港の…ルイス・クーが出てた…そう!「尋秦記」
彼、すっごいハンサムだったわ…
まっこの人(ヨン)にはかなわないけどね…』




※「尋秦記」
香港2001年作品 全40話
主演:ルイス・クー
タイムトリップものでマジ面白い!
この頃の香港ドラマのお約束ですが、ヒロインのお二人…が…