何とか無事月曜日を迎えられました…
土日は締め切りの迫った(というか過ぎた?)提出物の作成で大わらわ状態
なんで先読みして作業ができないのか…毎度のこと睡眠不足に苛まれ…
さてさて、そんなこんなで、またもや軽い小話を
お付き合いいただければうれしいです
宮中一の美丈夫といえば…
百人に聞いたらおそらく百人全員がウダルチ隊長チェ・ヨン、そう答える見目麗しいお方…
剣はめっぽう強く、戦では常に先陣を切り、前へと道を開いてゆかれる
そしてただお強いだけではない
常に戦況を読み、無駄のない指示をお出しになるのです
ご自分より年かさの面子が多いウダルチ達が、ああも素直に指示に従うにはきちんと訳がございます
「死なぬ程度に殺す」
そうおっしゃるほど、日頃の訓練はそれはそれは厳しいもの
気を抜けば大怪我をするほどに…
そうやって部下の特性を見抜き、戦いの場では最大限の力が出るよう人員を配されるのです
修練の成果が結果となって表れる…となれば、おのずと部下からの信頼は篤くなるというもの
しかし…一旦状況が落ち着けば…
あの方は寝てばかりいらっしゃる
飯も食わずに、ただただ眠る
鼻の先に雷が落ちようが、大げんかが始まろうが、三日三晩は目を覚まさない
そして目を覚ませば、決まって何とも寂しそうな顔をなるのです
それからメシをくらう、三日分の…
他の隊員と連んで妓楼に通うわけでも無し、決まった情人がいるわけでも無し…
いらぬことを申せば、凍ったような眼差しが返ってまいります
あの方は、一体何が楽しいのか…
心の中を覗くことはできませんが、潤う水も、輝く太陽も煩わしいだけなのではないか…そう思わせる何かを常に纏っていらっしゃる
兎にも角にもあの方は、常人とはかけ離れたお方でいらっしゃいました
そんなあの方が…医仙さまを天界からお連れしてからというもの…
変わられたのです…
凍った瞳は熱をもったそれに変わり
動じないはずの心が揺れ動き
一度たりともみせたことのない笑顔まで…医仙さまにはお見せになります
え?
あの方の心が一番動じたのはいつだったのかとお聞きになったので?
…
医仙さまがいらしてからというもの、あの方の心は千々乱れることが多く…
そうですね…いくつか思い当たりますが…
一番となると…
あくまでも私心ではございますが、医仙さまと手に手を取って宮中からお逃げになったあの夜…ではないでしょうか…
深夜、部屋の中から医仙さまのうめき声が聞こえてきて…
あの方はグッタリとした医仙さまを「イムジャ…」そう何度も呼ばれ、両手で抱き上げたのです
女人にあのようなことをされるのを、見たことが無く、そりゃあもう驚きました
同時に、ああ…それほど大切なお方なのだと改めて思い知らされましたが…
不満はないかと、そうお尋ねになるのですか?
どうでしょうか…
あれ以来、あの方は時としてわたしの存在をお忘れになりました…
長いことあの方にお仕えしてきたこの私を…です
医仙さまが二度目の毒を刺された後のこと…
あの方の部屋で一緒にお過ごしになることが決まり…
…仕方の無いことです
むしろ医仙さまを見失い過ごされた日々、あの方の心がどんなに医仙さまを求めていらしたか…
絶えずおそばに置いていただき、あの方が眠られる際も片時も離れずにおりましたわたしには、それが辛うございました
今は…
医仙さまを腕に抱かれてお休みになり、安らかな顔つきをされていらっしゃる
この後も、戦いが続く限りおそばにおりましょう
ただ、戦いを離れテホグンからただの男に戻られた僅かな時間は、どうかその腕に天女を抱き、健やかな時を過ごしていただきたいと、切に願っております
高麗を守ってゆかねばならぬお立場のあの方、その手にわたしがある限り、この国もまた、光り輝く未来を夢見ることができるのですから…
はい?
名前はあるのかと?
ございます…
恐れ多いのですが…わたくし
皆からは「鬼剣」と、そう呼ばれておりまする
お粗末さまでした…
【小甘ばなし】
「それであの人はどうしたの?」
チェ・ヨンが兵営に行った際、ウンスの側にはテマンが護衛につくことになりました
そのテマン相手にウンスは自分が不在であった時の話をあれこれ尋ねています
「ねえ、教えてよぉ テホグンには内緒にするから、ね?」
4年前に比べ、幾分は大人になったと自負するテマンですが、ウンスにかかってはひとたまりもありません…
「ええ…ほとんどチェ尚宮が…にっ握りつぶされましたが…へっ変な女が…一人、テホグン…の、やっ屋敷に住み着いたことがあったと
ででも、おっ俺らはテホングンと一緒にこっちだったから…よっよくはしっりません…」
「へぇーそうなんだ
誰が詳しいの? 」
「おっおそらくは…スリバンが…」
そうテマンが答えるとともに扉が開き、チェ・ヨンが戻りました
「イムジャ、只今戻りました
変わりはありませんか?」
そうにこやかな顔で話すヨンに向かって、またもやあの白いかたまりがまっしぐらにかけてゆきます
「むぎゅっ ピィーッ ピィーッ」
「へへぇー わたしも学習したのよ
まいったか!」
ウンスがナキウサギをしっかりと捕まえているではありませんか…
すぐにその子をテマンに渡し…チェ・ヨンから鬼剣を受け取ると、スッと壁に戻します
その一連の動きは四年の歳月を感じさせること無く、とても自然で流れるようです…
チェ・ヨンはそんなウンスから目が離せないでおりました
「ヨン、おかえりなさい!
お出迎えはわたしの役目よ
ノンノンはその後…はい、いい子にしてこの中で待ってるのよ」
テマンが一日がかりで作った大きめの蓋付き籠をあけると、ウンスが縫ったとおぼしきクッションがしいてあります
意外にもウンスはナキウサギが可愛いのか…テマンから受け取るとその中に入れて、ノンノンと小さく名前を呼び、背を撫でている様子…
「テマン、もういいぞ」
「イエー テホグン」
「テマンさん続きはまた明日ねー」
手を振りながらテマンを見送るウンスは戻りしなに籠に向かって声をかけます
「ノンノン、しばらくはその中でいい子にしてるのよー」
『むぎゅー …でもきもちいいかも…』
↑
(わんにゃん自動翻訳機にかけたところ…そう言っております
でも…わんにゃん用ですから…)
…ノンノンは籠の中、ふかふかのクッションでゆるりと簀巻きにされておりましたとさ
ということで、ナキウサギの名前が無事決まりました!
名前の由来はまた今度!!!