梅雨の間に溜め込んだ陽射しを
全て吐き出したような、
とても眩しい昼下がりだった。
忙しい合間を縫い、やっと作れた時間で
彼女と待ち合わせをしていた。
といいながらも、カフェに向かう間に
得意先からの電話が鳴る。
「社に戻り次第連絡いたします。」と、
逃げるように電話を切った。
また、片付けないといけない仕事が増えた。
追われれば追われるほど、逃げたくなるのが
心情というものだが、追ってくる敵も段々大きく、
強くなっていくのも事実だ。
どうせ、いずれは倒さなければいけない。
そういう思いと、彼女の笑顔を天秤にかけ、
僕は青い空を見上げながら携帯の電源を切った。
カフェに着くと、彼女はいつもの窓際の席に座っていた。
彼女も僕に気付き、胸のあたりで小さく手を振る。
ガラステーブルを挟んで、向かいに座っている彼女の瞳には、
値段交渉も、つまらぬ駆け引きもなにもない。
その表情を見るだけでも、僕は、仕事の苛立ちが
ゆっくりと和らいでいくのだった。
アイス珈琲を注文して、煙草に火をつける。
お互いの近況を少し話し、あとはいつもの、
君が昨日見た夢の話を聞いていた。
僕は、時折相槌を打ちながら、女はどうして夢の話と
例え話が好きなのだろうと、考えていた。
そもそも男同士で昨日見た夢の話や、
例え話を長々としていたら、少し気持ちの悪いものがある。
かといって女の人に、やたらと野球の話や
政治を語られても困る。
まあ、これも女らしさのひとつだろうと、
自分で納得して、君を見つめなおした。
静かに流れる君との共有の時。僕の焦燥や疲労、
全てに対する嫌悪が、君の前ではぐっすりと眠っていた。
今あるのは、安堵と喜び、そして君に注がれる想いだけだ。
澄んだ空から降り注いだいっそう強い光が、優しく緩やかな
風と混じり、僕達の間に幸せの形を見事に創りあげてくれた。
まばゆく光った二人の幸せの塊を、
僕は胸にとどめようと、パクリと口の中に入れた。
君は少し大きな瞳でこちらを見て、
不思議そうな顔をしている。
細かく説明をするのも照れくさいので、
僕はうつむき加減で、珈琲を飲んだ。
全て吐き出したような、
とても眩しい昼下がりだった。
忙しい合間を縫い、やっと作れた時間で
彼女と待ち合わせをしていた。
といいながらも、カフェに向かう間に
得意先からの電話が鳴る。
「社に戻り次第連絡いたします。」と、
逃げるように電話を切った。
また、片付けないといけない仕事が増えた。
追われれば追われるほど、逃げたくなるのが
心情というものだが、追ってくる敵も段々大きく、
強くなっていくのも事実だ。
どうせ、いずれは倒さなければいけない。
そういう思いと、彼女の笑顔を天秤にかけ、
僕は青い空を見上げながら携帯の電源を切った。
カフェに着くと、彼女はいつもの窓際の席に座っていた。
彼女も僕に気付き、胸のあたりで小さく手を振る。
ガラステーブルを挟んで、向かいに座っている彼女の瞳には、
値段交渉も、つまらぬ駆け引きもなにもない。
その表情を見るだけでも、僕は、仕事の苛立ちが
ゆっくりと和らいでいくのだった。
アイス珈琲を注文して、煙草に火をつける。
お互いの近況を少し話し、あとはいつもの、
君が昨日見た夢の話を聞いていた。
僕は、時折相槌を打ちながら、女はどうして夢の話と
例え話が好きなのだろうと、考えていた。
そもそも男同士で昨日見た夢の話や、
例え話を長々としていたら、少し気持ちの悪いものがある。
かといって女の人に、やたらと野球の話や
政治を語られても困る。
まあ、これも女らしさのひとつだろうと、
自分で納得して、君を見つめなおした。
静かに流れる君との共有の時。僕の焦燥や疲労、
全てに対する嫌悪が、君の前ではぐっすりと眠っていた。
今あるのは、安堵と喜び、そして君に注がれる想いだけだ。
澄んだ空から降り注いだいっそう強い光が、優しく緩やかな
風と混じり、僕達の間に幸せの形を見事に創りあげてくれた。
まばゆく光った二人の幸せの塊を、
僕は胸にとどめようと、パクリと口の中に入れた。
君は少し大きな瞳でこちらを見て、
不思議そうな顔をしている。
細かく説明をするのも照れくさいので、
僕はうつむき加減で、珈琲を飲んだ。