新型コロナウイルスで義母が亡くなりました〜それぞれの後悔 | 英語できない手に職もないパパ&村上家の6女1男 オランダ移住物語

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2. 新型コロナウイルスで義母が亡くなりました〜変わり果てた姿
1. 新型コロナウイルスで義母が亡くなりました〜実家でデルタ株クラスター

 

ECMOでの治療で併発してしまった血栓により、突然ヤマを迎えた義母でしたが、その日の夜、義弟の枕元にお別れの挨拶に現れたとかで、号泣しながら妻に義弟から電話があったそうですが、妻は気丈にも最後まで諦めるなという様なことを義弟に言っていました。
 

それから2〜3日が過ぎたのですが、病院から訃報の連絡はなく、代わりに義母の今後の治療について病院から説明をするという連絡が入り、結果的に峠を越えたということで、正にミラクルが起きた状態でした。

 

そして、一時帰国もままならず、遠いオランダから祈るしかなかった妻は、ネットを駆使し、義母の病院でオンライン面会が出来るというのを見つけ、早速申し込みました。
 

病院側も、人員が不足する中、少しでも入院患者の家族の想いに応えようとしてくれる姿勢が垣間見れて、感謝しかありませんでした。

 

しかし、このオンライン面会、人員が足りない中がんばって始めてくれたサービスなだけあってか、なかなか思うようにはいかない現状で、Zoomのリンクを親族一同でシェアしていたのですが、一アカウントのみにして下さいとの病院側からのお達しがあり、代表で妻がオランダから参加することになり、その動画を録画し、後程Youtubeの限定公開で身内にシェアすることにしました。

 

当日、先日担当して下さった方とはまた別の事務員さんが対応して下さり、タブレットで病室が映し出されたのですが、前回初めて見た時より、義母の顔色が良く、眠っているとは言え、非常に安らかな寝顔で、この調子で良くなるに違いないと、一気に希望が湧きました。

 

オンライン面会自体はほんの数分でしたが、その様子をYoutubeの限定公開で見た親族一同ほっと胸を撫で下ろし、義母の回復の様子を喜び合いました。

 

再び妻とは、義母が回復するにせよ、日常生活に戻るにはかなり時間を要するだろうと予想し、本気で義母をオランダに呼び寄せる計画などを話し合いました。

 

数日後もオンラインで義母の様子を見ることができ、誰もが後はゆっくり回復を待つだけと思った矢先、その翌週、事態は急展開し、義弟から妻に連絡があり、病院から連絡があり、義母の血管が破れ、血圧がどんどん下がっているということで、義弟とおばさんがタクシーで急遽病院へ向かうことになったということでした。

ECMOを使った治療で、血液を一旦外に出して戻す処置の為、血管が破れやすくなるので出血のリスクがあることは事前に病院からも説明がありましたが、一難去ってまた一難状態でした。

 

しかし、義弟とおばさんが病院へ到着するのを待たずして、あっけなく義母は息を引き取ってしまったという報告を、淡々と落ち着いた様子の義弟からの電話報告という形で、聞くこととなり、妻と僕は唖然とするしかありませんでした。

 

2021年8月下旬、入院から約3週間後のことでした。

 

そこからは日本で淡々とコトが進み、新型コロナウイルスに感染した義母の遺体は、病院から火葬場に直行となったようで、コロナの影響で火葬場も人を極力入れないようにしており、義弟とおばさんの2人だけで、最期のお別れとなったそうで、義弟は心を押し殺し火葬のボタンを押したそうです。

 

集まった親族達でしたが、やはり中には入れてもらえず、火葬場の煙突から上がる黒い煙をただただ見上げるしかなかったそうです。

 

その数日後、既にお骨になった義母に、せめてお経だけでもあげてもらおうと、近所の斎場で義弟とおばさんとで簡易のお葬式をあげてもおうと連絡するものの、コロナ患者はなぜか割増料金で、遺影と骨壷にお坊さんがお経を唱えてくれ、焼香を回すだけのシンプルな葬儀に高額な料金がかかったそうです。

 

お葬式には、また妻の従姉妹がLINEビデオを繋いでくれ、それをPCに映しながら、更に別のスマホでPC画面を映し、入院している義父と繋ぎ、三次元中継という形で、我々村上家一同も黒服を着て参加しました。

 

ただただスマホ越しに黙ってPC画面を見つめる義父が、何ともかわいそうで、また胸を掻きむしられるような気持ちでした。

 

お葬式には、義母の兄妹、義父の兄妹家族、息子娘、孫達がたくさん集結してくれ、いつもは夏休みの花火大会で集まる面々が、この日ばかりは喪服の神妙な面持ちで参列し、我々も画面越しにただただ黙ってその様子を見守るだけでした。

 

義父も妻も不在の中、一言も声も発さず、ひたすら黙って喪主を務めた義弟は、集まってくれた親族一同にお礼を言いたかったのですが、声を出すとその場で崩れ落ちてしまう気がして、何も言えなかったと、後日妻にメッセージを送って来ました。

 

義弟はもっともっと義母に親孝行したかったでしょう。

 

義母の姉や兄達は、もっと義母と旅行に行ったり、語り合ったりしたかったでしょう。

 

妻の従姉妹は、義母を無理矢理もっと早く病院に連れて行っていればと後悔し、義父ももっと早く義母の体調不良に気付いていればと後悔し、我々は無理矢理にでも一時帰国していればまた違った未来が展開したのではないかと、もう戻らない時間をそれぞれがそれぞれに後悔する、それが大切な人が突然居なくなることなのかもしれないと、悟ったような気になった、昨年の夏の悲しい出来事でした。

 

お義母さんはとにかく与える人で、常に自分のことより、子どもや孫や兄妹や姪っ子や甥っ子や僕なんかにまで、何でも与える愛情溢れる人でした。

 

もう直接伝えることは出来ませんが、まだ遺影も拝めていませんが、これまで本当にありがとうございました。

 

お義母さん、どうか安らかに。

 

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