庭園に立つ白い電話ボックス。

中には黒電話が置いてある。



岩手県大槌町にある

『風の電話』



電話線は繋がっていないけれど

『亡き人と繋がる事ができる』

という電話。




そんな思いで訪れる人が絶えな

『風の電話』


この庭園を作ったのは、

庭師の佐々木 格さん。

出来上がったのは、東日本大震

災直後の、2011年4月。


それから約1年後、ある一人

男性が電話ボックスに入っ

いき、声をあげて泣いていた

いう。

「今でも、その日の事は忘れら

れないんです。」

そう話す佐々木さん。


『風の電話』は、仲の良かった

書家のいとこが病気で亡くなる

前、残される妻子と繋がれる

を作ろうと計画したものだった

そうだ。




電話ボックスの周りには草花や

々が茂り、傷ついた人の心を

癒やしてくれるという。



佐々木さんは、「悲嘆を抱える

と五感が鈍る。心を癒やすため

には五感が戻る必要があるが、

もっと大事なのは、感じること

だと思うんです。



亡くなった人は見えないし、声

聞こえない。でも、受話器の

に、確かにその人を感じ

ることがでんです。

亡くなっても繋がれる。それが

生きる希望になり、心の再生力

になるのかも知れません。」

そう話す。


『風の電話』がきっかけとなり、

えない悲しみを抱える多くの

接する機会が増え、こう考

るようなったという。


「人は、自分の悲しみや苦しみ

にする事で、心の欠けた

部分め、自分で自分をケア

してるのかも知れません。



みんな、それぞれの物語を生き

います。大切な人を失った事

で、途切れてしまった物語を、

『風電話』で自分自身と向き

合い、新しい物語を紡ぎ直して

しいです。」


山の上に置かれた、電話線の繋

がっていない『風の電話』


傍にない大切な人と、話をする事できるという。




どうか、多くの人の悲しみが

癒されますように…

毎年、この日を忘れずにいます



『かぜのでんわ』 
 いもとようこ

 金の星社  出版

『風の電話』をモデルにした絵本です。



(すべての画像は、お借りしました)