(少し長い記事になります)


自閉症の石村嘉成さんは、

画家として活躍している。



「今回、一番気にいったのは、

インドゾウの親子の絵。

2頭の象がじゃれ合って、

おしくらまんじゅうをしたり

遊んでいます。」

そう説明してくれた嘉成さん。


『インドゾウの親子』

ご自身の個展会場では、

記念写真撮影や、

サインをお願いされるなど

とても忙しそうだ。


『新居浜狸伝説(姉)』

『Blue and white tiger』

「昔はなかったですね、

こんな事。うちの子は、

人には興味無いですから。


好きなのは、

動物だけなんですよ。

『動物のカッコイイ姿』を

人に伝える手段として、絵が

あるのかも知れませんね。


作品を作る事を通じて、

母親に見守られている

という事を、

表現していると思うんです。」

そう話すのは、父親の

石村和徳さん。



嘉成さんは、小学5年生の時に

母親の有希子さんを

亡くしている。


「 私の母は、私が

小学校5年生の時に、病気で

他界してしまいました。

母は生前、

『嘉成は大人になっても

人の世話無しで生きてゆく事は

できないだろうから、

人から好かれるように

なって欲しい、と

言っていたそうです。

私は、どんどん、

人に迷惑をかけないように

なってきました。


私は、幼い時から、動物が

好きな子供だったそうです。

母の躾は厳しかったですが、

大好きな動物に関して

いっぱいさせてくれました。

動物の絵本を読んでくれたり

動物園に連れていってくれて

動物と過ごす時間を

いっぱいくれました。


だから、今の私は、動物を

描きたい気持ちで

溢れています。

きっと、母は、嘉成の好きな

動物をいっぱい描いてね、と

言ってくれているからだと

思っています。」

講演会で、

ご自分の言葉で話す

嘉成さん。


『イリエワニの大あくび』

「嘉成君が頑張るんなら

私も頑張ろう、と

思って頂けたら、息子も

生まれてきた意味があります。

家内も頑張ってきた意味が

あります。」

父親、和德さんの言葉。


『カメレオン』

嘉成さんには、

多くのファンがいる。


その一人、羽藤れいなさん。

ノートルダム聖心女子大学の

学生さんだ。

小学6年生の時から嘉成さんの

ファンだそう。


「地元のお兄ちゃんが、

個展を開くから、

行ってみよう!と、母に

勧められたのが最初でした。」


『アミメキリンの子ども』

れいなさんは、

英語教師を目指して

大学に通っている。

来年行われる

英語スピーチコンテストで、

嘉成さんについて、是非

取り上げさせて欲しい、と

お願いしたそうだ。


「嘉君は、色を決めるの

早いですよね?すごいなぁ…

障害の事は関係なく、今は、

『とても高い場所にいる画家』

というイメージが強いので、

ファンの一人として応援させて

頂きたいな、と思います。」

嘉君、と呼び、

尊敬の眼差しで見つめる

れいなさん。


『真鯛』

「今の、落ち着いた嘉成の姿を

見て、家内もきっと喜んでいる

と思います。」

目を潤ませながら、そう話す

父親の和德さん。


『ハナカマキリ』

2013年、11月

高校の美術の授業がきっかけで

始めた版画が評判になり、

フランス、パリで開かれた

国際コンクールで

優秀賞に輝いたという。


こちらが、その作品。

『ミツバチと花』
新エコールドパリ 浮世・絵展
ドローイング部門  優秀賞

版画を続けるよう促したのが

父、和德さんだったという。

「自閉症の子には難題の、

塩梅とか、力加減が

苦手だと思うんです。

版画は、黙って集中出来る

意識レベルが高いものだと

思います。」


『ニワトリ・朝ですよ』

石村嘉成さんが製作する

絵画と版画から、

心に訴えかける力強さが

感じられました。


感じたままを、ダイナミックに

絵や、版画で表現する

石村嘉成さんの作品に、

心動かされます。


『里山のカワセミ』

どれも、大好きな作品です♬
(全ての画像は、お借りしました)


最後までお読み頂き、
ありがとうございました!