認知症高齢者
グループホームでは、
今も、ガラス越し面会が
続いている

今日は、3ヶ月ぶりに
トミエさんご家族の
面会日だった

「お母さん、元気ぃー?
久しぶりねぇー…」

トミエさん、
笑顔で会釈しているけれど
何だか…

よそよそしい…

「お母さん、
今日、お誕生日よね?
おめでとう!」

脇の窓から
アレンジメントのお花を
預かり、トミエさんへ渡すと…

「えっ… あらぁ… なあに?
ちょっと、これ…」
戸惑うトミエさん。

「お誕生日おめでとう、って
娘さんからですよ。」
そう伝えると、

「あらぁ… 
貴方にあげる! はいっ!」
そう言って、
スタッフに渡し、笑う
トミエさん。

その後、
ガラス越しの娘さんや、
ご主人、お孫さんに
丁寧に会釈して
「じゃあ、帰りますから。
ごめん下さい。」
トミエさんは、帰ろうとした。

「お母さん、もう… 
わかんないのかな…」
トミエさんの様子を
じっと見ながら、ポツリと
娘さんが呟いた。

「折角、会いに来てくれたのに
寂しいじゃない?
もうちょっとだけ、ね?」
…と、戻りたがるトミエさんを
なんとか引き留めた。

「なあ…
元気でいてくれよ…」
お帰りの前に、
ご主人が声を掛けて下さった。




トミエさんの認知症状は、
少しずつ進行している。

コロナ禍前には、
毎週末、ご家族と一緒に
過ごしていた…

ほんの数年前…
そんなに遠い昔じゃないのに
認知症高齢者の方々にとって

家族と会えない時間は、
何十年…に等しいのかも
知れません。




子供だった頃を思い出します(*'▽'*)
(谷内 六郎さんの作品)


青空がキレイでした♬