「イヤシノウタ」吉本ばななさんのエッセイを読んで | 毎日を素敵に丁寧に。

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大阪在住。映画、音楽、読んだ本、アート、舞台等、その時ピンと来たことを日々綴っていきますので、少しでも読んだ方のお役に立てると嬉しいです!

やわらかな陽射しのようなあなたへ💗


9月に実家の整理に行き、高校の卒業アルバムだけは捨てれず、持って帰ってきました。


吉本ばななさんのエッセイ集を読んでいて、ばななさんが両親を同時に亡くした頃の心情のエピソードがあり、そういえば、自分も立て続けに家族を亡くすという経験をしていたなと思い出しきて。

私が高1の時に母が亡くなり、その翌年には飼ってた犬、祖父、同じ敷地に住んでいた祖母の姉まで、母の死から一年経たずに家族が一気にいなくなり、深い深い喪失感に沈んでいたような気がします。祖父と祖母の姉さんは老衰です。

家に帰ると家族がいない喪失感に襲われたと思います。うちは庭がわりと広かったので犬の散歩はせず、1日1回庭に放していました。学校から帰り犬のロリーを庭に放すと、ロリーは庭を何周かぐるぐる走り回って、排便と排尿を済ませると、そっと私の隣にちょこんと座り込んでいました。私の寂しい気持ちが分かって寄り添ってくれていました。そのロリーも母の半年後にフィラリアで亡くなりました。母の時は受け止めきれず、茫然としていましたが、その後にロリーが亡くなったときは本当に打ちのめされてしまいました。

そんな感じで家族が一気に減っていき、深い喪失感を抱えていましたが、高校生活はめちゃくちゃ楽しくて、部活も、マクドで友達と延々と無駄話してるのも、行事も全てが楽しかったんです。山岳部の合宿は死ぬほどきつかったけど、信州の白馬岳の山頂から日本海の富山湾を見ることが出来たし、険しい山を越えて尾瀬の湿原に着いたら、歌の「夏の思い出」の世界が本当にそのままだったし、怖い顧問の先生もいたけど、沢山の貴重な経験をさせてもらいました。

友達に誘われて働いたファストフードのバイトは、高校とは違った、ヤンキーみたいな人が多くて人間関係もドロドロしていました。


今になって気付くと、いろんな高校での行事とかバイトとか、一生懸命に取り組んだことや、新たな世界が、喪失感からの支えになっていたんだなと、ばななさんのエッセイを呼んで気付いた事です。

あの頃の自分、そっと寄り添ってあげたいです。そっか、あの時のロリーは未来から来た自分だったのかな。



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