翌日、早速盛岡を出発。



この日、チャグチャグ馬っこが通るのであちこちで交通規制がかかっていた。



残念ながらその様子をみることはできなかったが、いまから一泊二日で青森県を制覇するという強行スケジュールを組んでいるため、見ている時間など我々にはないのだ。


途中、サービスエリアで昼食休憩。
盛岡名物じゃじゃ麺を食す。
意外にも我々はじゃじゃ麺ビギナーズだった。

初じゃじゃ麺、美味しかったです!




朝から小雨模様だったが、曇っているぶん緑が濃くて綺麗だった。



東北南部では季節がもう過ぎてしまった藤の花。

北部ではいまが盛り。

緑に混じって淡い藤色の花に感激!

私、藤の花が好きなんだよね~!見れて嬉しい~!




緑に包まれながら向かった先は、奥入瀬渓流。


結果から言うと、ここ、



すんごーく




すんごーく




綺麗なところだった!!



車を走らせるにつれて、ますます緑が濃くなっていく。


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緑の合間から渓流や滝があちこちに見えて、景色から目が離せない。


アシタカがヤックルに乗って登場しても変じゃない。
木霊もいそう。



奥入瀬はとにかく心地いい。


途中、車を降りてみた。


うわあああ~~~~!!


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水が透明を通り越して、水色になってるよぉ~!
綺麗、キレイ~!



高低差の違いはあれど、浄蓮の滝を思い出した。


あそこも、この魚止めの滝も、空気がたっぷりの水分で潤っている。


夏の奥入瀬は格別だろうなぁ。


大木があちこちにあり、彼がしきりに『おまえ!さわってこい!木からパワーをもらってくるんだ!』とすすめてくる。


『きっとおまえの病気もよくなるぞ!』



えーっと…
実は私、この前の人間ドックでひっかかり、精密検査を受けたばかりなのだ。
まだ結果まちなのだが、彼の中で私はすっかり病気もちのカッパになっていた。



彼なりに気を使ってくれているのね…。

ねえ…まだ病気かどうかすらわかんないのよ?



横をちらりとみると『マイナスイオン~!マイナスイオン~!』と唱えていた。




さあ、奥入瀬渓流でマイナスイオンをたっぷり浴びたあとは、またまた車を走らせて次は十和田湖に向かった。


わたし、いつも田沢湖と間違えちゃう。


十和田湖までがけっっっこう遠くて、時間を気にしながらの道のりだった。


曇っていたがさすが十和田湖、綺麗な湖の景色が楽しめた。


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すごく大きな十和田湖は、水が透明で綺麗。
魚もいっぱい見えた。


調べると、この湖の水源は豊富な湧水と雨水らしい。



どーりで綺麗なはずだ!



ちょっと上に登ったところに神社があり、並んでご挨拶。



ここでも大木がたくさんあって、彼は『この木に触るんだ!』『ビョーキが良くなりますように…ブツブツ』と私のために大木に祈ってくれた。



だ、だからね…まだ病気とは…。


その気持ちは嬉しいので、暖かい眼差しで見守った。




しかしねー、十和田湖。
周辺が寂れすぎです!!

ホテルらしき建物はたーくさんあるのだが、その中で営業しているホテルの少ないこと!


美しい湖畔で立地的にはかなり良さそうなもんだが…。

数々の空きホテルがその景観を壊していて実にもったいない。



いいとこなのになぁ。




そんな感想を抱きつつ十和田湖をあとにして、今日の終点、青森市に向かった。



この日は緑と水にかこまれた素晴らしい一日だった。




夜には青森市の街に出て、居酒屋でよるごはんにした。



数年前の私の誕生日に来た以来の久しぶりの青森市。
当時行った鉄板焼のお店がなくなっており、年月が経ったのだなぁ…と実感した。


あの時は珍しく車でなく、電車に新幹線に特急列車を乗り継いで北東北を廻ったっけ。



三内丸山遺跡の土偶を『モデルはお前じゃないの?』なんて言われたっけ。

確かに似てると思ったが。




青森県…あちこちに神秘的な自然が残る、素晴らしいところです。



やっぱ東北はいいとこだ!

次の日目指すのは、下北半島か龍飛崎か!



わくわくはまだ続く。






新しいプリウスが彼のもとに届いた。


早速その日の夜、実家にいた私を拾ってドライブ旅行に連れていってもらったよ。




出発直後、それぞれに嫌な出来事が勃発してしまい、お互い少し沈み気味。



彼は仕事でトラブル。
私は父&弟との折り合いが悪くイライラがピークに達していた。




逃げ出すように実家を出てしまったことと、親にちょっとキツくあたってしまった罪悪感に苛まれ、自己嫌悪…反省…。


彼の顔をみたら心底ホッとして、安心したら急に泣きたくなった。



まあケンカしたわけではないので、顔を合わせた時には笑顔で出発。



夜も8時近くなっていたので、この日は盛岡まで走って駅前のメトロポリタンに宿泊した。


ここ、結構親切。
急に予約を入れたにもかかわらず、格安で部屋をグレードアップしてくれた(嬉)


そして偶然にも、チャグチャグ馬っこの前日だった!




我々、夕飯は私の実家で食べたあとだったので、居酒屋で軽く飲もうと外に出た。

するとビルの入口で酔っ払いのおじさんが地べたに寝ている。
それだけなら通り過ぎるのだが、長財布が無造作に転がっていたため放っておくわけにはいかず。

彼が警察に連絡を入れ、駆けつけた警官に個人情報をあれこれ聴取され、バトンタッチ。

どうやら財布の中身は奇跡的に無事だったようだ。



すぐ近くの居酒屋に入り、ビールで乾杯。
姫筍が美味しかった!



この日は軽く飲んだあと、ホテルに戻って翌日に向けてすぐに休んだ。





次の日は青森を目指すのだ!


彼はたまに変なところで小さな嘘をついてイタズラしようとする。



思えばこの日もそうだった。



なにやら物騒なプロローグだが、なんのことかは後程わかります。




宿を後にして、この日も伊豆半島を駆け抜ける。


向かった先は、ナント河津桜の桜祭りだ!!



わあいっ!!
実は開花情報をマメにチェックしてたのよねーっ!

もし見るなら河津桜か修善寺の梅ね…などと勝手に心に決めていた。


ラッキーなことに、今年は開花が遅れに遅れて、ちょうど私たちが行った時に満開だったのだ。

あーん、マジ嬉しい。


そうでなくても伊豆半島はあちこちで花が咲いていて、私の心も花が咲いたように楽しかったです。




桜祭り会場に向かう途中で、お土産やさんに立ち寄って100%みかんジュースを飲んだ。


甘くて彼は一口でギブアップ。
懐かしいような味で美味しかったので、私が全部飲み干しちまった。

夏に飲んだらまた美味しいだろなー、アレ…。

オレンジではなく、みかんジュースってとこがいい!





そしてやってきました待望の河津桜ー!!



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ヒャホー!


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このアングル素敵よー


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思わず二人のアップも


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桜のアーチの下を歩けるって、本当に幸せ。
日本人でよかったわー!


出店もいっぱいあって、私たちはお好み焼きをひとつ買ってふたりで食べた。

これがまた美味かった…!
よくお祭り会場にある、そこいらのお好み焼きとは一線も二線も画していた。

彼もかなり絶賛しており、私もあの美味しさなら一人一個食べてもよかったと思えるぐらい。



それからわさび漬けのパックを買いこみ、車に戻った。

開花が遅れたとはいえ、やはり早咲きな桜だからこの時季はまだ寒い。



車で走っている時も、しばらくはあちらこちらで桜の花を堪能できた。




螺旋状のなにやらスゴイ道路を走り…


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いつの間にか天城越えをしていたようだ。(有名な心霊スポットは旧天城トンネルのことですよね?)


次に立ちよったのは『土肥金山』


てことは、東伊豆から西伊豆を横断したんですね。



いかにもな雰囲気で期待せずに行ってみたのに、思わず楽しかったんだぜ…ここ。

あなどれません。
オススメです。


採掘場跡のあちこちにろう人形が置いてあり、当時の様子がわかるようになっている。


小学四年のときの網走刑務所見学が楽しかった私には、ここもまた楽しい。

ちなみにろう人形の緻密さでは、いまんとこ網走刑務所がピカイチだと思う。



それから、この土肥金山では各地の金を展示していたり、ジオラマ展示が見れたりする。

私はジオラマも大好きだ。



彼は一目散に『アレ』を目指した。



約12億円(時価)の金塊だ。



もはや彼の目は¥ではなく黄金になっていた。



12キロぐらいある金の延べ棒の重さに驚き(めちゃんこ重い!!)、はしゃいで思わず近くにいた知らないおじさんに話しかけているところを見た。



千両箱(レプリカ)の実際の重さを体験し、売店では純金カステラなるものも販売されており

まさに金のテーマパーク。


いやほんとココは楽しい。

思わず売店であぶらとり紙をおねだりして買ってもらった。



砂金とり体験場もあって、つい足が向いてしまったのだが

『たかだか一粒や二粒の砂金のために使う労力や時間を考えてみなさい。元がとれると思うか?』
と彼に冷静に諭され、我に返った。


金に魅入られていたのか、私としたことが危なかったぜ…。



そして金山を後にして、名残惜しいけどいざ帰路に…と思っていた。

私は。



冒頭で述べたように、彼は変なところで嘘をつくことがある。


この日はずーっと『今日は帰らないとね』とか『誕生日の旅行終わっちゃったけど楽しかった?』とか言われていたので、てっきり帰るのだ思いこんでいた。


ところが彼は宿をとっていたのだ。


それがわかったのは、宿に着く直前!
まさに入り口のあたりで、この日も泊まりなのだやっと気づいた。


そし最終日のこの日がメインだったのだ。


嘘といっても、嬉しい嘘にサプライズ!



大好きー!!


彼が子供の頃に『サーカスがうちにやって来る』ってみんなに嘘ついて(なんで?)困ってしまったエピソードを思い出すたび抱き締めたくなるわ。



サーカス(笑)




冒頭の嘘のくだりは、ただ川端康成の雪国風に始めてみたかっただけです。




そんでもって、サプライズのお宿は『無雙庵 枇杷』



ここ、すべてにおいて良かったです…!




全体的に古民家風な雰囲気に作ってある宿で、飲み物とお菓子を楽しみながらゆったりチェックイン。


部屋も古民家風で、入ると大きな囲炉裏のテーブル。
ネスプレッソもあるー!
退屈しないようにとの配慮なのか、水彩色鉛筆の塗り絵セットが用意されていたり。


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奥にはテーブルとソファーのスペースもあって、結構な広さ。


さらに古民家風でメゾネット!

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階段をあがると


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広々とした寝室!
小さなちゃぶ台が置いてあって可愛い!



部屋には露天風呂がついていて、デッキも広い!

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もう色んなものが私好みで鼻血出そう。



この時まだ明るかったので、散策することにした。
この宿は裏山があって、散策コースが作られているらしい。

宿の方から『裏山は果樹園になっています。今はちょうどみかんが食べ頃なので、ご自由にお取りくださいね』と教えてもらった。


こういうことになると、俄然張り切る男がここにひとりいる。
さらに好物の果物が取れると聞いて、ますます元気になっている。



結構な急斜面をサクサクとのぼっていき、あえてキツイ方のコースを選んでいく。



一方、私は麓にあった杖をつきながら足が滑らないように慎重にのぼった。

ヒーコラヒーコラばひんばひん…
もう無理ぶぁい…。




頂上につくと、たくさんの木にみかんがたわわに実っていた。


彼は美味しそうなところを見繕って、木登りしてみかんを2つとってくれた。
トムソーヤだー。


ひとつはその場で食べた。
みかんといっても、色や味はグレープフルーツに近い。
ひとつは持ち帰って後日私だけ食べたので、ずるいっ!と彼が怒っていた…ごめん…。



そのあとふたりで記念撮影をして、山をおりた。


それから夕食前に貸切露天風呂に入った。


これがまた…(感涙)


なんと、冷えたビン牛乳とコーヒー牛乳が置いてあったのだー!
ツボすぎます。


洗面台の脇には、マウスウォッシュのポーションがたくさん置いてある。

しかもマウスウォッシュなのに、コーラ風味とかブルーベリー風味とか5~6種類ぐらいのフレーバーが揃えてあった。

す、すごい。



お風呂は体がすごく温まって、いいお湯でした。



もちろん、お風呂上がりに冷たいコーヒー牛乳をグイッといきましたよ。




夕食はフロント近くの食事処で。


出るもの出るものが美味しくて、中でも伊勢海老の炒めものが美味しかった!


スタッフも親切な方で、最後まで美味しく楽しく食事できた。


彼が『ここが本当のメインなんだよー』と言っていたのが納得…。



食事を終えて部屋に戻り、塗り絵を楽しんだりしていたら、まさかの突然のサプライズがやってきた。



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キエーーーー!!



彼がよく言う『人生にはまさかという坂がある』という名言…こーゆーのも当てはまるの?


だってまさかここまで用意されていたなんて、サーカス団だって御存じない(笑)


思わず涙を流してしまったじゃないのさ。



歳を重ねても、嬉しいことって起こるのね。
ありがとう。思わず長文になってしまうほど本当に素敵な誕生日旅行です。



サーカス、あたしは信じるよ。