流恋情歌 | The HoneyBears  はちみつクマさんの日記

流恋情歌

今年もいろいろ偉大なミュージシャンが亡くなりました。
清志郎、マイケル、加藤和彦等々・・・。

もう一人、自分にとって忘れられないミュージシャンが亡くなった。

元々CHARのボーヤで、
’79~’84まで「チャゲ&飛鳥」のバックバンド「火魔神」のリードギタリストだった、
タンポポ大平こと「大平彰彦」。

高校時代、チャゲアスのコピーバンド「あばんぎゃるど」でベースを弾いていたんで、
アルバム「INSIDE」の頃のステージを武道館で見たことがある。

高校を卒業した後、同じコピーバンド仲間が川口に引越し、
その近くに住んでいたのが大平さんだった。
当時は中島みゆきとかのバックをやってたようだ。

程なく俺も知り合いになって、後にオリジナルのバンドを一緒に始めた。
そのバンドが解散した後も実力が全くない俺なのに何かと頼りにされ
3ピースバンドを一緒にやった。
そのバンドは自然に消滅したのだが、
その後も毎日のように電話で話したり、ライブを見に行ったりしてた。
(これ以降、今のバンドをやるまで俺はまともにバンドはやってない)

B'zが出始めた頃、初めてラジオで聞いた時に
「あれ?このギター、大平さんが弾いてる?」と思った。
B'zの松本さんは火魔神時代の大平さんのボーヤだったと知ったのはこの後だ。
いつも隣で聴いてるギターの音にそっくりだったんだ。


俺も仕事が忙しくなり、結婚もして
しばらく疎遠になっていたのだが、
今年7月の中頃、数年ぶりに電話をしてみた。

大平さんのお母さんが出たのだけれど中々取り次いでくれない。
何かいやな予感がした。
しかもこんな時の予感はよく当たる。

「残念だったわね・・・。」

大平さんは今年の5月11日に亡くなったそうだ。

しばらくして大平さんの家に行ってみた。
引越しを手伝ったんだけど、周辺の様子が当時とすっかり変わってた。

お母さんは82歳になったと言ってたが、
以前とほとんど変わらない雰囲気だった。

大平さんの部屋にはまだギター数本とレコード、楽譜がたくさんおいてあった。
チャゲ&飛鳥やB'zのCD・ビデオも置いてあった。
仏壇にも昔の写真、一緒にやってたバンドの写真もあった。
いつも昔の仲間を気にかけていたようだ。

葬儀の写真を見せてくれた。
眠るように眼を閉じた大平さんの写真もあった。


もう少し、あと2ヶ月早く連絡していれば死ななくてすんだかも知れない。

とても悔やむ。


今年の夏、今まで未CD化だったアルバム、
「ライブ・イン田園コロシアム」と「ライブ・イン代々木スタジアム」がCD化され、
当時のビデオもDVDになった。

田園のオープニング曲は大平さんの作曲だったので
生前「CDが出ればちょっと印税入るんだけどなぁ」と冗談まじりで言ってた。
ちょっと間に合わなかったな。


クラプトン信奉者で、今でもクラプトンを弾かせたら日本一だと思ってる。
いつか今のバンドを見て欲しかった。
いつかゲストで弾いてほしかった。


間違いなく初期チャゲ&飛鳥のサウンドの一角を支えたギタリスト。
このままひっそりと忘れられていくのは悔しいのでここに書きました。