《鵺~夢の碑シリーズ5~》

花の24年組代表格
数いる漫画家の方々の中で
特に敬愛する木原敏江先生の
古今東西幻想綺憚キラキラ


小学館文庫にて全13巻の
このシリーズですが、
『鵺』は前中後編の3冊。


ひたすら愛を欲する 篠夫
篠夫と離れられない 主理
2人を見守る義賊の 源也

彼らを取り巻く女たち
江戸の四季の移ろいを
作中で巧みに表現しながら
ひたすら悲しい運命に
ひた走っていく3人。


全3冊を読み切るのに
ものすごい労力を使うと同時に
1本の映画でも
見終わったかのような満足感


鵺とはなんなのか。
最後の最後にわかります。


シリーズタイトルに『碑』と
銘打ってある通り、
ほとんどの話が悲話。

でも悲しくも、これ以外の
結末は決してないのだと
読者に思わせる構成力。


このシリーズのほとんどの話に
鬼の末裔が登場します。


しかも、あっ、この登場人物は
あの作品のあの人の末裔かビックリマーク
と、気づくか気づかないかの
さりげなさで描かれていて
自分で気づいた時の
なんとも言えない満足感(笑)

何度も何度も読み返しては
切ない気持ちになって
一日彼らのことを考えてしまう

どんでん返しが何度も起こる
内容の濃いお話ですキラキラ


私が中学生の時に『美人局』
という言葉を覚えたのは
この作品の影響です



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夢か現か明けてこそ
われは名を流す 人外の渕に
淀みつ流れつ 行く末の

……
朽ちながら空舟の
月日も見えず

暗きより
暗き道にぞ入りにける
遥かに照らせ山の端の月
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クローバーひろクローバー