陰陽魔境伝--十一話
「え~、あー、うー・・あー、もういいや!
つい、この間に社会科で習った『小野妹子』でいいよ!」
「えっ!? ヒカル、もう少し絞ろうよ!」
海鳴手に駄目だしされた。
まぁ、後で後悔するのはヒカルだろうが・・。
「ん~、じゃぁ、『白夜』なんて良いよな? それでいいや。」
『小野妹子なんて言った時は一時期如何なるかと思ったぜ・・。』
・・・・・ん? 何処からともなく声が・・。
『本当ですね。 でも、私、女なのに『海斗』って・・・。』
・・・・・んん? 如何やら下から・・。
『君たち!! もう少し式神として振舞ったらいかがですか!?』
えぇーーーーー!?
「紐が喋ったー! お化けだーー!!」
「ヒカル!! 貴方は陰陽師の端くれでしょう! 威厳たるものを持ちなさい!」
ヒカルは綺羅に叱られ、小さく舌打ちをした。
(ケチ! 別にいいじゃんか・・。)
『確かにあのバーさんケチくせぇよな。』
・・・
「ちょっとちょっと! 何、人の心読んでるのさ!?」
『そりゃ、式神は陰陽師と一心同体だし? そんなことも分かンねぇの?だっせー。』
式神、白夜は悪びれる様子も無くヒカルを罵った。
(なっ・・式神の癖に腹立つ野郎だ!!)
一方、海鳴手の方は上手く行っているようだった。
「海斗さん、御免なさい・・。 君が女の子だとは思ってなかったんだよ・・。」
『ああ・・海鳴手さん・・顔を上げて下さい。 申し訳ないです・・。』
互いに遠慮しがちのコンビ。 相性はまぁまぁか。
『でも、どっちかがリードしねぇとコンビとして成り立たないぜ。』
(ぅんうん・確かに・・って。)
「俺の心の独り言に入ってくるな!」