陰陽魔境伝_三話
陰陽魔境伝_三話
そこに居たのは、ヒカルの兄・・
大明寺 海鳴手だった。
ヒカルは極普通の一般大衆の少年の顔をしていたが、(というか、どちらかというと童顔)
海鳴手は、そこらの雑誌に載っているモデルのように美しい顔立ちをしていた。
しかし、そのことを本人は自覚していないらしく、女子に熱い視線にも気づく様子が無い。
ヒカルは自分の容姿を鼻にかけたりしない海鳴手が好きだった。
ある一つのことを除けば・だが。
「やぁ~ヒカル、お早う~。」
海鳴手は異常な程の天然ボケであった。
この喋り方も決して眠いからではない。 これが彼の普通なのだ。
「おぁよう・・兄貴。」
ヒカルはアクビを噛み殺して言った。
「今日は寝坊しなかったんだね~。
ヒカルはいつも朝はギリギリにならないと起きないのに。」
「それは・・俺は朝苦手なんだよ。 ってか兄貴、何飲んでんの? もしかしてまた・・。」
「え? コーヒーだよー。」
海鳴手はニッコリと微笑みを浮かべる。
その笑顔で学校の女子をノックアウトしてきたのだが、今はその笑顔がヒカルは怖かった。
何故なら、海鳴手はこれまた異常な味音痴だったからだ。(泣)
カレーにマヨネーズを入れ、シチューに焼肉のたれをつけるという
食べ物を溝に投げ捨てる様な行為をほほぼ毎日やっている。
しかも、挙句の果てには
『一ヶ月一万円生活』の濱○の技を見よう見まねで昆虫レシピを独自の研究で作り上げる音痴さだ。
勿論、ヒカルも昆虫レシピその他etcの餌食になったことがある。
次の日、腹痛で学校に行けなかった忌まわしい出来事をヒカルは鮮明に覚えていた。