いま、日本アニメの海外版DVDが面白い。なにせ、英語版とか、独語版とか、仏語版になって音声がついてくるいるうえに、ちゃんとオリジナル尊重で、日本語版もついてくる優れもの。この必ず日本語版が着いてくる、というところに愛国心をくすぐられて、いやあ、気分いい、気分いい。アニメという奴、いつのまにか海外で評価されていて、アメリカ大陸とイギリスでは英語版、欧州においてはかてて加えて、独語版と仏語版が覇を競っておって、「エヴァンゲリヲン」なんて大手筋になると、スペイン語版、イタリア語版まで作られておる。あー、いい気分! 

実は、あるとき日本アニメ「アップルシード」2である「エクスマキナ」のDVDに英語版がついたことがあった。デュナン・ナッツちゃん(英語名、デュナン・ニュート(ナッツだとNutを連想して嫌うらしい)〝Nut〟知る人ぞ知る。WWⅡのバルジ戦はバストーニュで攻囲されたアメリカ空挺部隊のマッコーリフ准将(だっけ?)が降伏を勧めるドイツ軍軍使にいった言葉。ちゅうより、いまでは「ガールズ&パンツアー」のプラウダ高校戦で降伏を勧めに来たプラウダ高校軍使に桃ちゃん先輩が嬉しそうに言った言葉(もっとも、「気づいてました?」 なんだがね)、そのデュナン・ニュートちゃんがが英語を喋るというので面白がっていたが……そのうち……デュナンちゃまには、英語が相応しいのだろうか? フランス語を喋らせてみれば? もひとつついでにドイツ語を喋らせて見れば? と思いつき、アメリカ、ヨーロッパ方面をネットでつついてみると、あるのである。いや、ごろごろ、あったのだ。日本アニメの外国語版。ご丁寧に、オリジナル尊重か、ほとんどが日本語版つき。つまり、マニアというのはどこも同じ、オリジナル言語でまずは聞きたいのであろう。それで、買い込んでデュナンちゃまに、おフランス語、ドイツ語を喋らせてみると面白いのである。ホンドーさんは英語版なら多少わかる。これでも長らく、西部劇を原語で理解したいと長らく頑張ったのである。ジョン・フォード「駅馬車」のカセットテープなんてのを、バックグラウンドミュージック代わりに、聞き流していたこともある。が、ドイツ語、大学時代の第2外国語で取った。無謀にも取った。発音はローマ字読み、というのに騙された(本格的に「やる」。たとえば、ドイツ・リートを音楽学校で、ということになると、けっこう、難しいらしいのだが)。であ、です、でむ、でん、は未だに覚えておるが、でぃー、であ、でん、でぃーだったっけ、えーっと、だす、です、でる、だすだっけ……という程度。いや、定冠詞の格変化! この他、不逞監視も、もとい不定冠詞も格変化、形容詞も格変化、これではついていけない! というわけで、ドイツ語と同じく、発音はアイウエオ、ローマ字どおり、というスペイン語も少しやった。こちらは、ところが、動詞の変化が、凄い。フランス語の動詞の変化が大変だというのは聞いていたが、現在形に関する限りでいえば、単数ならば、1人称、2人称、3人称、基本的には同じという「おフランス」語が、スペイン語と比べたら、やさしーく見えまーす。

 というわけで、「エヴァンゲリヲン新劇場版」は英語版、フランス語版、を揃えた。英語を喋る綾波レイだの、アスカだの、マリ・イラストゥリスちゃん、碇シンジくん、伊吹マヤちゃん、洞木ヒカルちゃん、葛城ミサト、赤木リツコ、青葉シゲル、加持リョウジ、日向マコト、鈴原トウジ、相田ケンスケ、悪くないのである。しかし、ならば、綾波レイにフランス語を喋らせてみたらどうだろう? というので、フランス語版も買い込んだ。じゃあ、アスカにはドイツ語を喋らせねばならぬ。というので、ドイツ語版の「破」をも買い込む羽目になってしまう。