前回は、「胃カメラ」について書きました。

私が胃カメラを受診したのは、健康診断で 「要検査」 と判断されたためでした。

 

健康診断で行う胃の検査には「胃カメラ」や「バリウム検診」などがありますが、どちらも嫌ですよね。

 

胃にカメラを入れるのも怖いし、バリウムのように異物を体に入れたくもないですよね。

 

と言うことで今日は、私の胃の調子を見事に言い当てた「ABC検診」について書きます。
 
ABC検診とは血液検査です。
 
血中に含まれる「ペプシノゲン」と言う成分を調べます。
 
ペプシノゲンとは、胃の粘膜から分泌される物質で、小腸での消化・吸収を助ける働きがあります。
 
胃が弱ってくると、このペプシノゲンの分泌量も減ります(胃が委縮して粘膜が薄くなるためです)。
 
胃から分泌されるペプシノゲンのうち1%は血中に流入するため、血液検査でペプシノゲンの量を測定して胃の健康度を推定すると言うのがABC検診です。
 
また、ピロリ菌抗体が有るか無いかも調べられるため、胃にピロリ菌がいるかどうかも推測できます。
 
ペプシノゲンにはⅠとⅡがあり、ペプシノゲンⅠは胃の入り口から中部にある主細胞から分泌され、ペプシノゲンⅡは胃の出口付近の幽門などから分泌されます。
 
採取した血液から「ペプシノゲンⅠの量」「ペプシノゲンⅠとⅡの比」「ピロリ菌抗体の有無」を表にします。
 
 
私の検査結果は下記の表のとおりですので、この数字を上の判定基準に当てはめると、ペプシノゲン検査が陽性でピロリ抗体は陰性と言うことになり、表で言うと「D」になります(ABC検診なのにDもあるのですね)。
これは、「ペプシノゲンの量が少ない」ため胃が弱っているが「ピロリ抗体がない」ため恐らくピロリ菌はいないであろうと言う結果です。
 
ここから推定すると、ピロリ菌が住めないほど胃が弱っているため胃がんになりやすい。と言う結果になるようです。
 
そのため「要検査」と診断され、胃カメラを受けることになりました。
 
ちなみに、「A1」と言うのは「A」の中でもピロリ抗体が3.0~9.9U/mlの人は過去にピロリ菌に感染していた可能性があると言うことのようです。
 
ピロリ菌がいてもペプシノゲンの分泌量が多ければピロリ菌除去をすればよいわけですが、私のように一度弱った胃は元気になるのが難しいようです(委縮した胃の粘膜はなかなか元に戻らないらしい)。
 
ちなみに、同日に受けたバリウム検診では問題なしでした。
 
ABC検診は、血液検査で簡単に分かるうえ、バリウム検診よりも胃がんのリスクを発見しやすいと言う話もあるため、お勧めできる受診だと感じました。
 
ちなみに、検診結果が「A」だったからと言って喜ぶのは早いです。
 
上記は、2020年に受けた時のABC検診の結果です。
 
最近掃除したら出てきました(3年前に受けたことすら覚えていませんでした)。
 
この結果ですと、検診結果は「A」となり健康的な胃であることになります。
 
しかし、注目しなければいけないのはペプシノゲンⅠの量。3年前の時点で33.2ng/mlしかありません。
 
合格ラインとして70.0ng/ml以上欲しいところが33.2ng/mlしかないのです。
 
ペプシノゲンⅡの量も少ないため比は3.5となり正常と判断されています。
 
健康診断の正常値、基準値と言うのは高めに作られていることが多いです。その方が「要検査」と判定される人が増え病院に通う患者が増えるからです。
 
そういった政治的な値もありますが、正常値からあまりにも離れている場合はやはり健康を疑うべきだと思います。
 
普段意識していないだけで自覚症状があるかもしれません。
 
「要検査が無かった」と言って安心するのではなく、きちんと調べ、自分の健康の度合いを知っておくこともが重要だと思います。