おとぎ話で「敵」と言えば鬼ですね。
「ガゴジ」と言う「鬼」を表す言葉がある。
元興寺(がんこうじ)と言う寺に出る鬼を神通力を持った子供が対峙すると言う昔話にちなんで、元興寺からガゴジと言う鬼を表す言葉が生まれたそうだ。
この物語は、平安時代初期に成立した日本最古の仏教説話集「日本霊異記」に掲載されている。
さて、この元興寺と言うお寺は「蘇我氏」の寺だそうで、「鬼」とは「蘇我氏」のことを示すと考えられています。
「蘇我氏」と言えば「乙巳の変」で倒された豪族です。
後に天皇になる「中大兄皇子」と後の世を支配する藤原氏の祖である「中臣鎌足」による「勧善懲悪」の歴史として習います。
勝者を正義とすると敗者は悪。つまり、蘇我氏は悪=鬼として描かれるわけですね。
また、日本の特産品であった勾玉(まがだま)は乙巳の変以降作られなくなっているという歴史的記録があるようです。
これは、蘇我氏が勾玉(まがだま)の素材である翡翠の産地を隠したまま滅んだと言われています。
近代になって新潟県などで発掘できる場所が発見されたそうですが、これも、「鬼が財宝を隠し持っている」と言うところにつながります。
と言うことで、おとぎ話の元ネタは「歴史」からきている可能性があると言うお話でした。
参考本:おとぎ話に隠された古代史の謎