◆町田康『くっすん大黒』文春文庫、2002年5月

遅ればせながら、町田康のデビュー作を読んでみる。とんでもなく面白い。これはすごいなあと感心しながら、一気に読んでしまう。また、文庫本の解説を三浦雅士が書いているのだが、この解説も非常に面白い。三浦は、ここで「くっすん大黒」と梶井基次郎の「檸檬」を比較しているのだが、冗談なのか本気なのか分からない論で、町田康の文体をうまく利用している。さすがだ。

町田 康
くっすん大黒