昭島散歩 ⑮ 熊野神社
観音堂恵日庵から少し北側の、奥多摩街道から少し高くなった場所にある神社が熊野神社である。
参道正面の石段には柵があり境内に入れないので東側から回り込む形で境内に向かった。
正面の拝殿の後ろに本殿がある。
「中神」の由来は、村の真ん中に熊野権現社という神社があったことによるもので、この熊野神社のこととと思われる。
昭島市史によれば、「伊弉冉尊、速玉之男命 事解男命を祭神とするこの神社は、延文五(一三六〇)年篠為右衛門の先祖が伊勢参宮の帰路に紀伊国の熊野本宮に立寄り、熊野神社から分霊を勧請奉斎したことに始ると伝えられている。かつては、「熊野大権現」「熊野大神」と称していたが、明治二九年四月二一日熊野神社と改称した。境内には末社として稲荷神社、八坂神社、床浦神社がある。
現在の社殿は嘉永五年(一八五二)に中野久次郎が再建奉納したものである。」とあった。
境内には幹の周囲七メートル、高さ四五・五メートルの大いちょうの木があり、樹令四〇〇年と言われ、市の天然記念物となっている。
なお、昭島市中神熊野神社の祭礼獅子舞は、昔、この地を領していた小田原・北条氏の支藩、北条氏照の時代に奨励されて始まったと言われ、約400年以上の歴史を持つといわれ、この獅子舞は、古来の形式を忠実に伝承していることから、昭和62年に東京都無形民俗文化財の指定を受けた。