2019年最終戦その2ー全日本鈴鹿MFJーGPー | 北折 淳の鈴鹿8耐挑戦記!「マコブロ」

2019年最終戦その2ー全日本鈴鹿MFJーGPー

今回は来年のレースにも深く影響を及ぼすであろう、ECU領域の考察です。

自身の地方選が終わった翌週、出張先からそのまま鈴鹿入りしてサポートに行ってきました。
そこまでしてやってみたい、やってあげたかった事。
自身の心境も交えながな書いてみますチュー

前回の記事でも書いた通り、自分の最終戦であった九州ロードレース選手権ではとにかく色んな事を試してきました。

その中でもECUはとにかく触った。
FIマップ(スロットル開度とエンジン回転数による燃料噴射量)は事前にベンチまで回してかなり凝って作り込んだ状態で持ち込んだんですが、実は走行してみるとあれ!?って感じることが多かったんです。

第一印象は走るなぁという感触だったんですが、段々と乗りづらい面も見えてきて、改めてロガーを見ると狙いから外れている部分があったんです。
これはFIマップを基本とする、TCSの動作も絡み合ってくる非常に複雑な環境にあるようです。

ある程度、制御関連は8耐で完成したものをベースにしていたものの、僕のマシンはSTDだったので、一部微調整はしていました。
しかし、当然FIマップなどはHRCキット仕様とSTDとでは全く異なるものなので、ゼロベースでした。
そこで、まずはベンチでエンジンポテンシャルを全開に発揮できるような狙いで調整し、実走行でフィーリングに合わせた微調整をやり込んでいったのが前回のレース。

当然、走る度にフィーリングは向上し、タイムも上がりました。事実、レース1とレース2での結果が大きく向上していることが何よりの証拠。

これは本当に時間と手間のかかる作業で、ライダーやりながらこんな作業は辛いし、次のセッションまでにタイヤ準備やガソリン、サスのセッティング変更なんかでテンヤワンヤしてる中、PCとニラメッこしながら頭を捻る作業はとてもじゃないけど無理です!!

そこで、自分のこの経験値を他のライダーで試しちゃおうと考え(正確には人の為にっ!です)
鈴鹿に飛んだわけですデレデレ



よって、北折はバイクに直接触れることは一切、ございませんでしたニヒヒ
その代わり、車体を触るのはいつものメンバーにお任せ。
新たに、自分はECUセッティング(幅広すぎてこう表現することにした)屋さんとして徹しました。
その中で、後進の育成として前回の地方選同様に藤本くんにもついてもらい、一緒にデータを見たり、調整したりを実践しながら地道な作業をセッションごとに繰り返していきました。

実際には、サスペンションなど足回りのセッティングは大きくは変わらずだったようですが、FIマップや制御関連は走る度にガンガン振ってデータを集めました。
こればかりはライダーの協力なしには進みません。手元のスイッチ1つで、FIマップは変更できてしまうし、制御モードは3つも選べます。
↑写真はモード3になってます。
P(パワー)、T(TCSなど)、EB(エンブレなど)

現代においてはまだ良心的なスイッチの数と配置の17年型CBR1000RR。

当然、これをライダーにセッション中ポチっと(昭和です)してもらうように言い聞かせておくわけなんですが、これが大体の場合忘れてくる奴なんです(○島選手です)

となると、せっかく試したかったパターンでデータを取れずに、次のセッションでもう一回となるわけ。

最近のmotoGPやF1なんかのハンドルもそうですが、なんかファミコンみたいな(昭和っす)スイッチ一杯付いとるんでお分かりかと思いますが、運転手はしっかりと頭の中にデータの内容を入れておく必要があるんです。

サスペンションなんかのセッティングは一度ピットインしないと触れませんが、先程言ったECUの一部データなどは一瞬で、走行中に変更ができてしまうんです。
超効率的でしょポーン

本当にこれを試さない手はないですよ上差し

でその結果、彼のJSB人生7年目にして…

9秒台という大台に乗ったわけです。
もちろん、全てがECUだというつもりはありません。当然多くのスタッフのサポートとライダー本人の頑張りが実を結んだ結果なんです。

それでも、これまでと大きくアプローチを変えた点は、間違いなくECUセッティング手法である、ということです。

しかし、こんな結果は誰も予想はしていなかったでしょうね。
何せ出発の前日までエンジンは載っていなかったんだからねゲロー
あの時はマジで笑えない状況だったな滝汗逆に集中力が増したのか??ラストの1周でこのタイムを出すというのも精神力の強さ?を示しているような。気のせいかニヤニヤ

なにはともあれ…、レース1は好スタートから某ライダーに接触されてしまい、某ライダーと同じくデグナーでグラベルにコースアウトを喫してしまうのですが、転倒はせずに乗りきってくれ、その後何とか完走。

当然、その後もロガーと本人コメントからPCとニラメッこして(皆サクッと帰りたいオーラ出すんでデータ作るのは宿に帰ってから…)次のレースに臨むわけです。

そしてレース2では見事18位ポイント獲得となりました。
コメントとして変わったのが、T点滅が多くなり、レース後半はどのコーナーでも良く点滅していたということ。
メーター内に地味ではあるんですが、Tマークがあって、TCSなどの制御が介入している最中にはこれが点滅するようになっているんです。(もっと分かりやすくしてほしいものですが)
しかし、アベレージタイムは悪くなく、後続の追従も抑えきってゴールが出来た事は、大きな前進だと感じました。
しかも、本人は「またモード変えるの忘れました!」と言っていたにも関わらず、1周目からしっかりと狙いのモード3になっていたことはご愛敬ですチーン
つまりは、全くもってフィーリングに悪影響が無かったって感想です。

しかし、ここまで来るにはECUセッティングに集中できる環境を作ってくれたスタッフの皆、そして的確なコメントを引き出すメカニックとそれをうまく言葉で伝えるライダー。
そして夜中までバルタイミスった(ナイショです)エンジンの修復に努めたメカニック達のお陰。(もちろん俺ではないです)

このどれもが欠けていては、実現できなかったであろう今回の9秒台。

来年のレースにも、きっと大きく活かせると感じ、まだまだだなぁ…と感じた1週間でした!
















自分も微力ながら量産テストに携わっています。