安倍首相「最側近」本を読んで……。安倍首相の政策秘書だった西山猛氏の『安倍総理と政策秘書 最側近秘書が内側から見た安倍晋三総理の七年八カ月』を読んで……。若宮啓文と野田佳彦のお二人のエピソードに微苦笑しました?

[2024・8・24・土曜日]

 

 

 

安倍首相が暗殺されてもう2年以上が経過しました。三回忌も終わりました。その「最側近」だった人の本も二冊出てきました。

 

阿比留瑠比氏の『安倍晋三〝最後の肉声〟 最側近記者との対話メモ』(産経新聞出版)という本は「積ん読」中ですが、安倍首相の政策秘書だった西山猛氏の『安倍総理と政策秘書 最側近秘書が内側から見た安倍晋三総理の七年八カ月』(ワック)を読みました。8・22日付け産経新聞で阿比留さんも連載コラムで、この本を取り上げていました。

 

この方は毎日新聞出身の記者。父親も毎日の記者で、安倍さんの父親、安倍晋太郎さんとの交友があったといいます。毎日を退職したあと、そういう縁もあって、第1次安倍内閣時代に内閣広報室調整官に就任し、そのあと、安倍首相の政策秘書などを務めたとのことです。そんな身内から見た安倍晋三論が綴られていました。

 

第一次内閣の時に急な辞任の背景、モリカケ事件やらさまざまな内憂外患などについて、身内ですから、当然、同情的というか、マスコミの批判には同調していません。

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あと、おやっと思ったのが、朝日の論説主幹の若宮啓文氏が政治評論家の三宅正之さんに、「安倍批判は朝日の社是」と語り、その一部始終が、小川榮太郎氏の『約束の日 安倍晋三試論』(幻冬舎)で曝露されたエピソードです。

 

言った、言ってないといった論争にもなりましたが、若宮さんから西山さんに日露関係報道で、西山さんの父親について話を聞きたいとの申し出があって、面談したことがあったそうです。三宅さんが亡くなってから4年半が経過していた時のことです。

吉田総理と鳩山一郎の会談を毎日新聞だけがスクープした背景を聞かれたそうです。そのスクープ記事を書いたのが西山さんの父親だったからです。その際、若宮さんが社是の話にも触れて、「冗談で言ったかもしれない」と語ったそうです。

 

なるほどと思いました。最近、某県知事の「おねだり」発言などが問題になっています。地元の名産地を訪れて、何かの会話の中で、「これ欲しいな」と言ったとか言わなかったとか。この点は、まぁ、冗談半分で、そういう会話、やりとりはすることは実社会ではよくあることなので、いちがいに知事を責めるのもいかがなものかと思います。

 

同様に、三宅さんに対して、若宮さんが冗談半分に、「安倍批判は朝日の社是ですから」云々と発言することもあったのではないかと思います。我が家の家訓は「釣った魚(配偶者)には餌は与えない」ですなんて冗談半分で言うこともよくあることですから。

ただ、「冗談半分」といえども、「本気半分」もあるわけで、どちらにせよ、朝日新聞の感情的ともいうべき「安倍批判」報道は、あまり褒められたものではなかったでしょう。

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そのほか、野党だった自民党が大勝し、第二次安倍内閣が発足するにあたっての皇居での親任式に、敗者の野田佳彦さんと同席した際に、安倍さんは野田さんに「私は五年で総理大臣に返り咲いた。野田さんもその可能性がありますよ」と語ったそうです。そのとき、野田さんは神妙な面持ちだったそうです。

 

安倍さんは西山さんに「野田さんは安全保障政策の基本姿勢は自民党と近い。仮にあの場に鳩山由紀夫、菅直人がいたら、あのようなことは絶対に言わない」「野田総理は松下政経塾の一期生。保守思想が根っこにあると思っている。民主党であっても前任者二人と違った政権運営を期待しているんだ」と解説してくれたそうです。2011年9月のことでした。

 

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しかし、安倍さんも認識が甘かったかもしれません。野田さんは財務大臣などをやった時に、財務省にかなり「洗脳」されて、安全保障政策はまだしも、消費税増税賛成派で「アベノミクス」などは理解不能ではないかと一部で囁かれてもいるようです。

それでも、先日、台湾に出かけ頼清徳総統と「会談」をされていたようですから、立憲にあってはまだまともな方だと思われます。

 

もし、野田さんが立憲の新しい代表になり、同じ政経塾出身の高市早苗さんが自民党総裁になれば、今度の総選挙は松下政経塾出身者どうしの争いとなるでしょうか?  松下幸之助さんは、生きていればどちらを応援したことでしょうか?  やはり関西贔屓で高市さんのほうではないでしょうか?

 

では、ごきげんよう。