神保町在住? HON4946のビジネス本 格付け研究所
Amebaでブログを始めよう!

最強の名古屋商法(アーク出版)

 皆さんは、“名古屋”というと何を思い浮かべるでしょうか?“パチンコ”“ういろう”“豪華な嫁入り道具”“味噌かつ”といったところでしょうか。

景気回復がはっきりしてきた、日本で特に元気が良いのが名古屋を中心とした中部地域です。昨年は愛知万博という追い風もあり、名古屋はますます元気になっています。

 本書ではそんな名古屋の元気さの秘密を、いずれも愛知生まれか愛知に何らかの関わりのある大手シンクタンクの研究員、コンサルタント、広告代理店勤務の8人が“新装開店の花は名古屋では、すぐ盗まれる?”“喫茶店の豪華モーニングセットから生まれた新ビジネス”、“名古屋グルメ手羽先に学べ”等、身近な話題から名古屋商法の秘密を解き明かしています。

名古屋というと、どうしても“トヨタ”を思い浮かべてしまうのですが、“トヨタ”のようなビッグビジネスだけではなく、中小企業・ニュービジネスも元気なのです。

 最近、流行のマンガ喫茶も名古屋の豪華モーニングセットからヒントを得た喫茶店主が始めたそうですが、ある喫茶店がサービスの一環として、店内にマンガや雑誌をふんだんに置いたところ、それを目当てにやってくる客が急増しとても繁盛したそうです。

 そこで、発想を転換し“マンガを読んでもらうことを目的とし、サービスとしてモーニングセットのような飲食を提供する”マンガ喫茶をはじめたそうですが、最近のマンガ喫茶の急増をみるとその名古屋商人の発想の鋭さに脱帽するばかりです。

 去年の11月には、これも名古屋発のリサイクルショップの“小さな大企業”コメ兵が東京・新宿に大型店舗を開店させました。

 最近、昼食の定番?となりつつある“味噌カツ”と共に“名古屋の元気さ”を全国的なものにすることでしょう。そんな“名古屋の元気さ”の秘密を知りたい人に是非、お薦めします。

面白度★★★★


M&Aで狙われる上場企業95社(エール出版)

 M&Aという言葉は、昨年のライブドアや楽天のニッポン放送やTBSに対する買収劇でかなり一般化されました。一時期、その正式名称から説明しなければならなかったことを考えると隔世の感があります。


 M&Aで狙われる上場企業95社(エール出版) 島野清志著は、このような風潮をとらえ、M&Aの標的になりやすい企業を業種別に95社具体名とともに提示しています。また、その”選定基準”についても株価資産倍率が低い、圧倒的な株主がいないなど5つの条件について明らかにしています。


 本書は昨年の7月発行ですが、その時点で大見出しで”TBSは要注意”としていました。その4ヵ月後の楽天による買収騒動をその時点で予言していたともいえるでしょう。

 


 また、M&Aの主役というべき”投資ファンド”についてもその仕組み・具体的なファンドを独立系・外資系など6つに分類してその”性格”とともに解説しており、他にあまり類似の情報が存在しないだけにM&Aに敏感な関係者にとって貴重な情報だといえます。


 本書では、第4章で日本企業乗っ取り史というタイトルで、ジャパンライン、白木屋、小糸製作所等株式市場を賑わせたかつての買収騒動について、個別にその経緯・経過・その後の関係者の顛末を記述しており

面白い読み物となっています・


 株式投資の観点からM&Aに関心をもたれている方にも、買収されることを心配されている経営者にも、社会的な観点から興味がある方にも興味深い本と言えるでしょう。


                                                  面白度★★★★