ひとことの力 松下幸之助の言葉 | ~読書と保育~

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ひとことの力 松下幸之助の言葉

 著者:江口克彦

 出版社:東洋経済新報社
 発売日:2014年12月

ひとことの力松下幸之助の言葉


松下幸之助の側近No.3。・・・それが著者の江口克彦さんです。松下は側近というものを置かず、No1と2がいませんでした。その上でのNo.3ですビックリマーク


そんな感じで長い間 松下の側にいた江口さんは、松下の言葉をたくさん聞いていました。そして、それをメモとして残していたのです。本書はメモした松下の素晴らしい言葉の中から、更に選りすぐったものを選んだものです。当時の松下の“人となり”“雰囲気”といったものを感じて欲しい、ということで言葉も関西弁のままとし、ざっくばらんに話していた当時のままで掲載されています。


個人的にはすごく感動しました。勉強になる・・・というより、「こんな人が日本にいたんだ」と心が動かされた感じです。素敵な言葉がいっぱいでチェックした部分も多いのですが、特に印象的だったものを挙げますひらめき電球



・叱るときに大事なことは、失敗した部下を叱るときも感謝の気持ちを忘れたら、いかんということや。・・・まぁ、心のなかで手を合わせながら、叱る。こういう心掛けで、叱らんといかんよ」(P16)


・この27日で90歳やから、27日になったら、もう一回、一から出直しや。・・・それでいま、考えとるんは、来年の4月から中学校に入ろうかと(P80)


・(外食で残してしまったときにコックを呼んでもらい)あんたに謝ろうと思ってな。この料理、おしかった。おいしかったけどな、わしはもう80や。よけ食べられへんのや。こうして、残したけどな、不味くて残したんやない・・・気ぃ、悪でんといてな(P102)



本書をつくるにあたり、著者に江口さんはこう思っていたそうです。「学者、研究者、評論家が、松下を経営者のみから、見ているのは、象の一部を撫でているようなもので、私からすれば、とうてい、それでは「松下幸之助」の全体像を描き出すことはできないと思っている(P59)」


この本を読んで感じたのは、『松下は人間のことを深く信じていた』ということです。この中に出てくるすべての言葉の根底には、この『人間を深く信じる』ということが流れているのです。彼の人間観は、保育の『子どもを信じる』という部分にもつながっていると思うのですビックリマーク


松下の人となりや人間観を感じられる、素晴らしい1冊でしたニコニコ