ノンが無事にさくらを保護したという連絡をくれた。
私も出来る限りはやく合流するから、と伝える。
やっとの思いで職場を抜け出し、ノンに電話をかける。
さくらがいた公園近くのカラオケボックスにいるらしい。
さくらが家に帰ることを拒否しているようだ。
指定されたカラオケボックスに急ぐ。
駅に着いた途端にものすごい大雨。
こんなときに限って・・・・・
でも、傘を買う時間ももどかしい。
私はどしゃぶりの雨の中を傘もささずに走った。
ノンはさくらの肩を抱いていた。
私が部屋に入ると、さくらが顔をあげた。
めったなことでは泣かないし、取り乱さないさくらの目が腫れている。
さくらのこんな顔を見るのは出会ってから数える程しかない。
私なんて失恋しては泣き、仕事が上手くいかないくて泣き、家族とのささいな喧嘩で泣いて、その度にさくらに甘えて、ひどい顔ばかりみせているのに。。。
そんな気丈なさくらが今にも倒れそうな顔色をしている。
「大丈夫??・・・・って大丈夫じゃないよね。病院行ったんだよね?」
さくらが頷く。
「症状を先生に話して、すぐに胃カメラで検査を受けた。。。。」
「うん・・・・」
「検査結果はすぐには出ないけど、とりあえずご両親を呼んでくれって言われた。
これってどういう事なの?」
さくらはまた号泣し始めた。
「ご両親を呼んでくれ?」
声にならない。でも、私の頭のなかもこの一文に支配される。
どういうことなの?
さくらの体に何かが起こっているの?
それもただ事ではない何か?
ノンがさくらの背中をさすっている。
私もさくらの隣に腰掛ける。
言葉が出ない。
さくらは何時間も泣き続けた。
それが、私たちがさくらの思い切り泣く姿を見た最期だった。