2月2日更新分・緩やかに【石頭FBノート】 | 手上のコイン Blog

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五月天の石頭がFBのノートに書いている日記を、ちょこちょこ翻訳しております。おかしいところがあれば、ご指摘くだされば幸いです。

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緩やかに

街を三日間離れて、北から再びここに戻ってきた。きっと暖かいだろうと思っていたのだが、まるで北の冷たい空気が僕にくっついてこっそり荷物に潜み、一緒にマカオに戻ってきたようだった。
現地の人に言わせると、マカオがこんなに寒くなることはまれなのだそうだ。そして、このような気温は先月の桃園や更に寒かった上海のコンサートを僕に思い起こさせた。

覚えているが三年前の冬には、大寒波来襲時を除けば一年中、シャワーを浴びる時蛇口から出ていたのは暖めていない水だった。
でも最近手足が冷えやすくなって、血気盛んだった少年も、今では夏であっても暖まってからでないと浴室を離れられない。変化の大きさに、自分でも驚くばかりだ。

この街にいなかった三日間、彼女はこのじめじめした寒さを厭うこともなく、この街独特の特色を探し求めながら現地のたくさんの人気スポットを巡っていた。聖ポール天主堂跡、天后宮、セナド広場、美麗街、恋愛通り、タイパビレッジ。
僕は彼女に、もう一方の植民地だった東側は、海を隔てた街と比べて、どんな違いがあったかと訊ねた。
「ゆるい感じ」と彼女は言った。
僕はどうも合点がいかず、意味がわからなかった。すぐには自分でその答えを見つけることも出来ず、彼女がこの三日間について説明するのを黙って聞きながら、入り交じる記憶を整理し、手がかりを探すことしか出来なかった。

朝早く、彼女は僕を連れてこの近くのバイク屋にコーヒーを飲みに行きたいと言った。
もし外の気温がこんなに低くなかったら、僕はすぐさま起きだして靴を履いたはずだ。でも身体は正直なもので、すぐさま震えだした。
こんな天気だと躊躇してしまう。でも昨日の彼女の喜色満面の顔を思い出し、中に一枚多く着込んで部屋を出た。幸い歩き出してみるとタイパの古い町並みの中は暖かく、インナーは余分だったなと思う。

うっかり天使の小径に迷い込み、僕は両の目を細めた。大きな葉っぱのガジュマルの樹を眺めながら、僕らは何年か前の町内の穏やかな午後をとりとめなく思い浮かべる。赤煉瓦造りの囲いは人一人分の高さしかなく、ただ中には家があるだけだと言いたいかのようだ。

タイパの街中を歩きながら、僕はしだいに彼女のいう「ゆるさ」というのがどういう意味なのかを理解した。もしかすると如祥ビルの高層の前にある巨大な大石のようなものかもしれない。取り除こうとしたら大変だし、その必要もない。共存すればいいじゃないか?

(マカオ4日目)


ざっと訳してから、天使巷ってどこだよ?………とひとしきり悩みましたが、よくわからずそのまま比喩として訳してます。
確かにマカオには天神巷(道の名前には天使たちの小径の意味がある)てのもあるんですが、記述とぜんぜん違う繁華街だし、石ぱぱの日記はタイパの話なので、ここで登場するには橋渡らないといけないし、距離がありすぎる。
附近一間機車行てのもどこだよと思ってますけど(笑)
現地行けばわかるのかなぁ…。