【観劇記録】く・ち・づ・け | 手上のコイン Blog

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むーとぴあvol.3
『く・ち・づ・け』

2011年2月4日(金)~10日(木)
下北沢駅前劇場

脚本・演出 わかぎゑふ

■Cast

浅野雅博(文学座)
荒木健太郎(Studio Life)
近江谷太朗
種子
仲坪由紀子
藤井びん
藤尾姦太郎(犬と串)
武藤陶子

(五十音順)


■Story

繭子と3人の従兄弟たち。そしてそれを囲む狭い大人の世界で繰り広げられる昭和初期のラブ&コメディ。
今では考えられないような、しかしほんの70年ほど前の日本、おばあちゃん達の時代には本当にあった物語。
時代の窮屈さや、根底横たわる男女の偏見などが絡み合い、繭子の生まれて初めての「くちづけ」はどうなる?


何気に、初むーとぴあ。
今まで行っていてもおかしくないのに、タイミングが合わなかったり優先順位的にどうしようかな~なんて感じで見送っていた……。
今回もちょっと財布的にきつかったので保留していたんだけど、ちとストレス溜まり始めたので、これ幸いと(ぇ
発散にいきました。

…まぁ、近江谷さんだし。
浅野さんだし。
武藤さんを久しぶりに観たかったし。

そして、何気にわかぎさんのホンも初めてなので………。


一言で表現するのならば、この芝居は『初』
初と書いて「HATU」ではなく、「UBU」と読んで頂きたい。
昭和初期の男尊女卑な考え方が当たり前であった時代。
日本人がまだ、素朴であった時代…。
その更に田舎の、狭い世界しか知らない。純粋培養の田舎娘、繭子が主人公。

そんな時代の可愛い『恋バナ』であり、ラブコメ。
だから、もちろんコメディーらしく最後のあたりはたたみかけるし、最後のホロリなんかもあるけれど、
全体の流れが、のどかな印象だった。

武藤さんのお人柄もあるのだろうな。
ふんわか。
ほんわか。
昭和といいながらも、懐かしさのようなものは不思議と感じず。もちろん、そんな時代もあったのよね~的なものはあるんだけど。
今でも世界のどこかにはあんな風に純粋でウブな、キラキラ可愛い娘さんがいるのかもなぁ…。なんて気さえする。
嫌みな感じにレトロにはしったりしていないから、かな?
「いかにも」時代を演出されるよりも、私はこっちの方が好きなのかも…と、思いました。

浅野さんは、役としてはそんなにメインの話には噛まないんですけど。きちんと曲者っぷりは発揮していらっしゃいました……。
何気に、実はあまり考えないで浅野さんの芝居は観てきてるけど。(何となく気になってしまうというか。間合いとかが上手いのは初めて拝見した時から知ってるし)
………思い返してみれば、なんかずっと…曲者だよね。(笑)それもかなり板に付いた(笑)役が曲者という時もあるけれど、そういう意味だけではなく。芝居がね…(笑)狡いっていうか。切り口がただ者でないっていうか…。

もう一人のただ者でない方…。
近江谷さんは。
なんだか配役としても納得の役でした。
男らしくて、
無骨で無粋かと思いきや…。人柄が見えれば見えるほどに、『……い、いい男だ~。かっちょいい~』と、なってゆく。
最初の入りから、あのカッコ良さまで。そんな幅のある魅力的な男を無理なく演じられるのは、近江谷さんならでは。……素敵だ~。

他の配役も見事でしたし、ラブコメらしい爽やか(?)な笑いも楽しかった。

まぁ、一番笑ったのは、カーテンコールでしたが…。
止めないとどこまでも武藤さんのボケを掘り下げ続けそうな近江谷さんが………。ああ…そうか。もしかしてあのメンバーってボケばっ……………。
えーと(笑)

平日はまだ、ちょっとばかし客席が寂しいお日にちもある様子。(武藤さんが『寂しい席』て言っちゃったのはともかく、荒木くん…『薄い席』って、何??(笑)←近江谷さんがつい拾っていたボケ)

ほんわか出来る作品が好きな方にはお勧めです。興味のある方は、是非。