我が家は床の間付きの和室をつくります。
そうなれば床柱を入れたい。
いったいどんな床柱があるのでしょう?
お値段は?
プランの段階で「床の間」は概算が入ってましたが「床柱」は選ぶものによって変わるので、と概算も入ってなかったのでドキドキです。
材木屋さんに行く前に
「床柱は構造材になるので予算は取っています。(高すぎると差額分、追加費用になります)
構造材なのでぐねぐねした奇木はやめて下さい」
と聞きました。

そんなわけで、大黒柱と一緒に選びに行きました。
床柱も大黒柱と同様3m10cmの長さが必要です。
そして構造材になるように、四角か丸…となると種類が限られてきます。
檜の丸柱、その絞り。
切った木をその場に置いておくことでできる風合い「サビ」の柱などを勧めてくれました。
とりあえず大黒柱と同様に材木置き場を一周りして探していると面白い柱を見つけました。
四角くカットされているけれど、2色の層と穴のようなところが、ねじれを感じさせる柱です。
計ってもらうと3m10cmありました!
これが良い!と夫婦で意見が一致!
でもこれ穴が空いているようだけど、構造としてどうなの?
と、議論になりましたが、やがて大丈夫と言ってもらいました!
ちなみに大黒柱も床柱も予算内だったようで、追加費用なしでいけました。
木の種類を聞くと「カイヅカイブキ」だと教えてもらいました。

大黒柱も床柱も、柱にカットした時に残った分の板状のものがあり見せてもらいました。
それは看板などになるそうです。
杉の方は大きくてすごく立派な看板になりそうでした。
カイヅカイブキの方はうねっていて、看板にしたら面白いものになりそうです。
(帰ってから写真に撮らなかったことを後悔)

そう、カイヅカイブキって、幹や枝がねじれるというか、巻くようにして育つそうです。
それで柱にすると欠けた場所がでて穴のように見えるんですね。

カイヅカイブキは園芸品種で、庭や公園でよく見かける木です。
ネットで検索して写真を見ると「あっ!知ってる!」となるほどあちこちにある木でした。
腰高の低い生垣から、3mを超える背の高い生垣。
そのままにしておくと炎のように葉を付け、
庭木として松のように手入れをされたりしている木です。
茶色い毛皮のような樹皮ですが、柱はこの樹皮を剥がしてつるりとしています。
この後意識してカイヅカイブキを見るようになりましたが、柱を取れるような幹のものはほぼありません。
あの柱の木はどこでどんなふうに育ったのかなぁ。


大黒柱と床柱が決まるとフォークリフトに乗せて梱包され、軽トラに乗せられました。
これからさらに南、和歌山に運んでうちのサイズ、継手にカットされるそうです。
上棟式までお別れ。

選ぶのに時間がかかったので、冬の日はとっぷりと暮れていました。
私たちが帰るのを工務さんたちが見送ってくれようとしましたが、断りました。
到着から2時間。
着くまでに1時間強。
頑張った下の子に車内で先に授乳してあげないと。
上の子も、この子なりに大人しくしていました。
お疲れ様です。

さて、床柱の強度は大丈夫だろうか?
もしかしたらまた他のところに床柱を探しに行くことになったりして…。
多少の不安を抱いて翌日、打ち合わせに行きました。
床柱の強度は大丈夫なようです。
そして、木に詳しい社長さんが
「初めて知りました」
と言うほどレアなのだと知りました。


後日談
つい最近の打ち合わせの時に構造の柱や梁の図面を見せてもらったのですが、床柱は入っていませんでした。
聞くと「どんな柱がきても良いように、床柱を抜いて構造計算しています。床柱がなくても耐震等級3を取っているので大丈夫です」とのこと。
奇木でも良かったのかもしれません。
でも、カイヅカイブキの床柱、ハンドルネームにするくらい気に入っています!